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驚異の渋滞 [タイ]

今まで2度、飛行機に乗り遅れたことがある。1度はバンコク、もう一回はロンドン・ヒースロー空港。バンコクはずいぶん昔、まだ国際空港がドンムアン空港だったころ。ヒースローでやった時は変更可能な航空券だったのであまり焦らなかったが、バンコクではJALさんの変更不可の割引運賃だったのでかなり焦った。なんせバンコクの渋滞は酷い。当たり前だが、知ってる人は知っているが、知らない人は知らないほど酷い。曜日や時間帯によっては慢性的に凄まじい渋滞で、信号を1つ進むだけで30分とか驚異的な渋滞にしばしば出くわすことがある。初めて乗り遅れた時、噂には聞いていたが、まさかそんなことはあるまいと高を括っていた。来る時は空港からホテルまで30~40分くらいだったので、ホテルの人が国際線ならもっと早く出発した方が良いと忠告してくれたのに、少しでもゆっくり寝たいからと言って忠告を黙殺し、それでも出発時刻の3時間前にはリムジンサービスでホテルを出ることにした。ホテルの前の大通りが既に異常な渋滞でまったく動かない。出発の30分前になっても、空港が見えない場所にいて、こりゃもう駄目だ、、、と観念した。その時、以前友人が「航空会社に頼むと、出発を待たせられる」と言っていたのを思い出し、リムジンの運転手に公衆電話を見つけてもらい、さらに運転手にJALさんに電話を掛けてもらった。チケットを受け取った時の書類にJALさんのバンコク支店の電話番号が奇跡的に印刷されていた。電話が繋がって、私に受話器を渡されたが、相手は早口の(多分、、、)タイ語なのでさっぱりわからない。私が「イープン、イープン、コーイープン」と言うと、しばらく無音があってから日本語、しかも若くて美しい女性(推測)の声が聞こえてきた。なんと日本人のスタッフに代わってくれたのだった。焦っていたので、息を切らせながら「すみません、渋滞で飛行機に間に合いそうもないので、私の乗る便の出発を遅らせてもらえませんか」と丁寧にお願いした。どんなお願いであっても、人間が人間に対して誠実にお願いすれば聞いてもらえる、特に日本人なら、、、と本気で考えていた私は今までやったことがないほど誠実かつ丁寧にお願いした。するとその女性は「えっ、そんなことできませんよ。あなた良く考えてごらんなさい。時間通りに来ている他のお客様も待たせるんですか。あなた、本当に日本の方ですか?日本の方ならそんなこと言われなくてもわかるはずですよね」と怒りを買って電話で1分くらい説教されてしまった。あっけに取られながら詫びを入れ、自分の名前を告げて、相手の女性の名前を聞いてから、どうすればいいか聞くと、いずれにしても空港のチェックインカウンターに行って指示に従うように言われた。電話を切り、我々はまた渋滞の中に突入。空港に着いた時には、すでに私が乗る予定の飛行機が出発する時刻を1時間過ぎていた。バンコク渋滞恐るべし、、、などと悠長に遅刻の評価をしている場合ではない。チケットを買い直さなければいけないのだ。しかも普通運賃で!!!いくらするんだろうと戦々恐々としながら、JALさんのチェックインカウンターに行くと、カウンターの一つに背の高い綺麗な日本人の女性がいたのでその職員のところに行き、さも旅慣れたビジネスマンのような顔をして事情を話すと、なんと、さっき電話に出たJALさんのバンコク支店の女性だった。。。と言うか、JALさんのバンコク支店だと思っていたところは空港のJALさんの窓口だった。相手が私だとわかると、また1分間のお説教が始まった。おまえは、ケン・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンの『1分間マネージャー』が愛読書なのか、と思いながらも一方的に説教され続けた。しかし、彼女は1分間お説教した後、私が自分の非礼を詫び、なんとか帰りの便を変更してもらえないかと言う目標を提示すると、彼女は<<1分間称賛法>>によって私を励まし、そして無料で翌日の便を予約してくれた。あっぶねーっ。JALさんありがとう。私を救ってくれたケン・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンにも感謝。そして私に嘘を教えた友人には文句をくれてやったのである。
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