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DBC [フィリピン]

今年の正月にマニラに行ったのだが、日本への帰りにマニラ空港のフィリピン空港のチェックインカウンターでチェックインをしていたら、張り紙に、「volunteers」と「compensation」文字が書いてあるのが目に飛び込んできた。見る人が見れば、いい加減なフィリピン航空がチェックインカウンターでこの二つの単語を使う場合、ボランティアを募っていることがすぐにわかる。聞いてみると、案の定、成田行きの便がオーバーブッキングなので「volunteers」を募っている。「volunteers」に応じて次の便にすれば、「compensation」として1年間Openの東京-マニラ往復チケット、翌日の便にすると東京-マニラ往復チケットの他に4,000phpを提供するということだった。このように、ボランティアに応じてもらえるチケットをDBC(Denied Boarding Compensation )と言い、”本来、航空会社が与えるべき搭乗の権利を与えなかった埋め合わせ”というような意味合いが込められている。私は内心、「またかー」と思うと同時に、「しめた!」とも思った。というのも、私は今までに何度もフィリピン航空のボランティアに応じたことがあり、いわばフィリピン航空は常習犯(そう言う私も常習犯だが、、、)。オーバーブッキングは仕方ないが、私が知っている限りでも酷過ぎる頻度だ、、、とは言うものの、毎回、DBCのチケットがもらえるので、チャンスがあってスケジュールさえ合えばボランティアに応じている。今回もスケジュール的には問題が無かったので、ボランティアに応じて次の便にする旨を係員に伝えると、「ありがとう」と言われたが、こちらの方が「ありがとう」だ。その係員が、「今、手続きをするが、日本人のあなたにお願いがある」と私に言うので、お願いが何か聞いてみると、隣のチェックインカウンターに日本人がいて、ボランティアに応じてくれるようなのだが、英語がまったく話せないので通訳してくれないかと頼まれた。もうすぐ往復チケットが手に入るご機嫌な私は、「いいよ」と答えて、隣のチェックインカウンターにいた日本人に私が聞いた話をした。その日本人は群馬から一人で来た60歳を過ぎたおじさんだった。一通り説明をした後で、「英語がわからないのによくボランティアのことがわかりましたね」と聞いてみると「前もこういうことがあったので勘でわかった」と笑っていた。”埋め合わせチケット”を受け取るまで時間があったので、そのおじさんと話をしたが、とんでもないツワモノだった。とにかく日本語以外は一切話せない。入国カードは自分で書けないので、いつも旅行代理店で書いてもらっていると言う。奥さんがフィリピンに二人(?)いるので年に4~5回は奥さんに会いに一人で来るらしい。しかも、マニラではなく地方なのだ。言葉が通じないのにどうやって行くのか不思議で仕方がない。おじさんに聞いても「大丈夫だよ」と言うだけ。今まで特に危ない目にあったこともないらしい。いやー、凄い。ビックリした。おじさんたちは元気だ。このおじさん、根っからの良い人のようで、ずっとニコニコしている。フィリピンの人は、根は親切で優しい人が多いので、このおじさんは完全に同化してしまっているのかもしれない。旅先で凄い人に会った。
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ガキが嫌い [フィリピン]

貧困地域にいる小汚いガキが大嫌い。金をせびり、執拗に追いかけて来て、ウンチをした後で手を洗わないどころか、生まれてこのかた洗ったことの無いような小汚い手で体に触られようものなら虫唾が走る。ただでさえ不愉快なのに金や持ち物を盗もうとしたり、軽く恫喝してくることすらある。どう見ても日本で言えば未就学年齢である。誤解の無いように言っておくが、私は子供が好きだ。そんな私が、先日、フィリピンのクラークで小汚いガキどもの襲撃を受けた。私も迂闊だった。いつもは、治安の良くない場所を歩く時は前後左右を意識するのだが、この時は友達が「街の写真を送ってくれ」と言うので、左手にミネラルウォーターのペットボトルが入ったビニール袋を持ち、右手でスマホの写真を撮り、そして悪いことに文庫本をジーパンの後ろのお尻の所に突っ込んでいた。ホテルが見えるところまで来て、5人の小汚いガキが同時に私のジーパンのポケットとジーパンの後ろに突っ込んだ文庫本に手を伸ばしてきた。私は財布、紙幣、小銭はジーパンの前のポケットに入れ、後ろのポケットには何も入れない。ジーパンの前のポケットに物を奥まで入れてしまうと取り出しにくいからだ。しかし、この時の私は、小汚いガキから見ると、両手が塞がって、ジーパンの後ろに金を隠しているカモにしか見えなかったのだろう。私は一瞬にして何が起きたかを悟った。とにかく自分の不注意に腹が立ったのと同時に小汚いガキに、私がユニクロで季節外れのセール品1枚700円を、さらに”お纏め買い”で安く買ったTシャツに小汚い手で触られたことに逆上した。司馬遼太郎風に表現すると、『それだけに、地図をのぞきこんでいる児玉の怒りはすさまじかった。(この連中が人を殺してきたのだ)とおもうと、次の行動が、常軌を逸した。その金色燦然たる参謀懸章をつかむや、力まかせにひきちぎった。「貴官の目は、どこについている」とどなった。つぎの言葉が、長くつたえられた。「国家は貴官を大学校に学ばせた。貴官の栄達のために学ばせたのではない」』 司馬遼太郎(1978) 『坂の上の雲5』文春文庫(司馬先生、本当に御免なさい)。とにかくエライ腹が立って、左手に持っていたペットボトルの入ったビニール袋を振り回したが私の攻撃はいとも簡単にガキどもにかわされた。しかも、振り回した反動で体が一回転してしまうという失態を犯した。マズいっ、一回転して元の位置に戻ったと思った刹那、私は右足で思いっきり一番背の高いガキに横蹴りを食らわした。そして、これが絶妙のタイミングで入ってしまい、背の高いガキは漫画のように物凄い勢いで吹っ飛んていった。これには流石に歴戦の勇者である私も狼狽した。ガキが逆襲してくるとマズい。ガキ達のモンスターペアレントたちが慰謝料だ、とか言ってくると更にマズい。そんでもって、児童虐待とかが加わるとさらにマズい。幸い私は何も盗られていないので、ここは将来のある君達のために穏便に済ませてあげようではないか。そんな訳で、出るところに出ても何ら疾しいところはないのだが、今日のところは早く帰って昼寝もしたいしで、一目散にホテルに駆け込んだ。なんとなく後味の悪い昼下がりであった。

そしてその数日後、、、私は機上の人となったのだが、私の席の後方で赤ちゃんが泣いている。飛び立つ前から、ずーっと泣いている。私の席からは少し離れているのでさほど気にはならないのだが、さすがに周囲の雰囲気がよろしくない。漫画家の”さかもと未明”のような話もあったりする昨今ではあるし、2時間も3時間も泣きっぱなしは、さすがに迷惑だ。私がトイレに行った時も赤ちゃんのお母さんは非常口のところに立って必死に赤ちゃんをあやしていたが一向に泣き止む気配がない。周囲の乗客もなんだか怖い雰囲気だ。しかし、これは赤ちゃんが悪い訳でも、お母さんが悪い訳でも、怒っている乗客が悪い訳でも、航空会社が悪い訳でもないのである。ましてや、若くて綺麗なCAさんが悪い訳でもない。私が赤ちゃんを覗きこんだら一瞬泣き止んだ。お母さんはすまなそうに私に頭を下げた。なんのこれしき。調子に乗った私は、周囲の状況をよそに「いくつですか」とか「男の子ですか、女の子ですか」と聞きながら得意の顔芸で「赤ちゃんは泣くのが仕事だもんねー」とあやした。一瞬、赤ちゃんは泣きやんだように見えたが、3秒後に今まで以上の爆音で泣き出した。しまった。お母さんは、「どうもありがとうございました」と言ってくれるが結局泣き止むどころか、状況を悪化させてしまっただけである。ただ、失敗を引きずらないポジティブな私が自分の席に戻るとCAさんが来て「どうもありがとうございました。おかげで、まわりの雰囲気が変わりました」とお礼を言われた。私は子供が好きなのである。
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バロット [フィリピン]

フィリピンに”バロット”という、ある意味で有名な食べ物がある。孵化前のアヒルの卵を茹でた”ゆで卵”。ベトナムではビットロンと言って普通に売っている。カンボジアでもポピュラーな食べ物だし、タイ、そして横浜の中華街でも食べたことがある。初めて見た時は殻の中にヒナが出来上がっちゃっていてビビった。なんてったって、うっすら鳥の形状がわかる”ゆで卵”は恐ろしかった。だいたい、日本でバロットを食べるよと言うと不潔なものを見るような眼で見られる。フィリピンのバロットは道端の露天で売られている。お金を払うと粗塩と一緒に新聞紙に包んでくれる。値段は日本円で1個20円くらい。喰い物ごときにギャーギャー言うのもみっともないので、エイッと喰ってみたら美味しかった。食べ方は、まず殻の先っちょに穴を明けて中のスープをすする。このスープは美味しいチキンスープ。そして、普通に殻をむいて”アヒル本体”に粗塩を振りかけて食べるのだ。アヒル本体は普通の”ゆで卵”の黄身の味。考えてみれば当たり前の味だった。ただ、白身の部分はとても硬いので私は食べない。美味しいか不味いか二者択一で問われれば「美味い」と答える。ただ、以前、このバロットを買った時に友人に騙された。フィリピン人の友人に「バロット喰えるよ」と言うと、ちょっとビックリした顔をしていた。私は内心「どーだ。まいったかー」と得意げだった。すると、友人が「それじゃー、僕が1個おごってあげるよ」と道端でバロット売りのおばちゃんからバロットを2個買った。買う時にほんの少しだけ時間をかけて選び、おばちゃんに何かを聞いてから買っていた。友人は「美味しいのを選んだよ」と言って1個を私にくれた。友人はその場で食べ始めたので、私もいつものように殻に穴を開けてスープをすすった。スープを飲みほした後、殻を割ってビックリ。。。黒い羽の生えたアヒル本体が出てきた。ほぼ、孵化寸前の状態。しっかりしたアヒル本体のバロットは初めて見た。困っている私を見て、友人とバロット売りのおばちゃんは大笑いしていた。途方に暮れて友人に助けを求めると、「ごめん」と言って笑いながら、私が持っていたバロットを引き取って説明してくれた。どうやら、バロットは好みによって孵化の度合いを選べるらしかった。卵を外側から見て青っぽいのは孵化が進んだもの、黄色っぽいのは孵化が進んでいない状態のバロットだと説明してくれた。そして、私の友人は青っぽい孵化が進んだバロットを選んで私にくれたのだと言う。確かに私もよく外国人に寿司のワサビや、おでんの和がらしを大量に食べさせて、日本の文化、和食の真髄を最初にガツンと思い知らせてやるが、反対にやられてしまった。後で聞いたのだが、フィリピン人の友人も孵化の進んだバロットはあまり好きじゃないんだと言っていた。今更そんなことカミングアウトされてもなー。あと、彼は、日本人が食べる卵かけご飯は信じられない、生卵を食べるのは危険だし、そもそもあんなものは食べ物ではないとも言っていた。今度、絶対に卵かけご飯を喰わせてやる。
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インボラ [フィリピン]

マニラから日本に帰る日になって、ようやく風邪が良くなってきた。いつもは、かなり余裕をもって空港に到着する私も、マニラのニノイ・アキノ国際空港には飛行機出発2時間前ギリギリにチェックインする。空港が大好きな私が、この空港だけには心がときめかない。理由は空港の設備が汚くて、空港が騒がしいから。どうしても、綺麗なバスターミナルを大きくした感じにしか見えないのである。特に第一ターミナルはあまりのボロさ、汚さにいつ行ってもビックリする。第二ターミナルは外観は綺麗だが中の設備はアナログで垢ぬけない。かろうじて、第三ターミナルに空港の雰囲気があるくらいだ。ANAは第三ターミナル。ぴったり二時間前にチェクインカウンターに行ってチェックインすると、さすがにGWだけあってエコノミー席のオーバーブッキングがあり、インボラのオファーをもらった。それは断るわけもなく、二つ返事でオファーを受けた。今年初めてのインボラだ。しかも、器材はB787-8。実は、今回の旅の一番の楽しみがこれだった。ただ、乗ってみてそれほどでもなかった。シートは短距離国際線タイプだったので、フルフラットではなくクレードルシートリクライニングだった。液晶は17インチではなく、12インチの小さいヤツ(ただ、解像度が高いのでフライトマップを見るには十分だった)。食事は和食を頼んだ。マニラ調整だからある程度覚悟はしていたが、カニ蒲が多様されていることと、鶏の空揚げ二個が串に刺さっていたのはやめていただきたかった。篠辺君、君は代表取締役社長だけではなく、CSR推進会議総括の肩書きを持っていたはずだ。何をしておるのだ。企画部・総務・CSR部担当である福田取締役執行役員と共に可及的速やかにお客様に提供するサービスクオリティを再検討することを命令する。そして、マーケティング室・CS&プロダクト・サービス室・営業センター担当の志岐君、今回の件について直接的な責任は君にある。進退については本人が決めることであり、私がとやかく言うことではない。しかし、執行役員である以上、ケジメはつけるべきだと私は考える。まー、無料でビジネスクラスに乗せてもらっておいて文句を言っちゃいけないんだろうけど、愛する全日本空輸株式会社のために、敢えて苦言を呈することにした。

[広さよりも脚の短さが際立つ]
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[エンジンはGEのではなくロールスロイス]
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[電子カーテンのスィッチ]
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[1時間も飛べばフライトマップに日本の島が出てくる]
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[機内食(和食)はこーんな感じ]
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J.CO Donuts [フィリピン]

タイのチェンマイから、再びフィリピンに戻ったが、これといってすることもなく暇だった。最近マニラで人気のドーナツ屋があると聞いていたので最終日に行ってみることにしだ。マニラのモール・オブ・エイジアにあるJ.CO Donutsというドーナツ屋でインドネシアのドーナツ屋なのだ。以前、食べはしなかったが、マレーシアのクアラルンプールで見かけたことがある。店に入ってみると、確かにひきっきりなしに客が来て、みんな当たり前のように1ダース、2ダースと注文している。私も一つ買って店内で食べた。味は悪くないけど激甘。1個日本円で90円くらい。飲み物と一緒に店内で食べると言ったら、もう一個別のドーナツを無料でくれた。こちらも激甘。店内には、注文をとる店員が5人いるが、待っている人の列がどんどん長くなっていく。注文のあったドーナツが箱に詰められ、注文が終わると客はキャッシャーの列に並び直す。暇だったので、どのくらいのスピードで売れてるのかを紙ナプキンに書いて記録していたのだが、午前10時から午前11時半までで126ダース!売れていた。しかし、午前11時半から午後12時半までは28ダースに落ち、そして、午後12時半から午後1時までは40ダースだった。さすがにここらで店を出たが、開店から3時間で194ダースのドーナツを売っていたことになる。1日10時間営業なので、1日で約647ダース。個数にすると7,764個のドーナツだ。ふと、真面目に経営分析してみようかと思ったが止めた。おいらは、ドーナツを喰いに来た訳でも、ドーナツの売り上げを計算しに来た訳でもなく、ただ旅行に来ていたのだった。
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風邪 [フィリピン]

マニラで風邪をひいた。到着後早々にひいてしまったようだ。私は、しばしば旅先で熱を出したり、風邪をひく。かつては病気の達人とか病気のデパート横浜支店と謳われた男である。4月のマニラは日中35℃近くあって寒気がしないので比較的楽だ。ホテルの中ではエアコンを止めて布団に包まって寝てしまうだけなので問題ない。ただ、食欲が無く、歩くのがしんどい。旅先で寝ているだけだともったいない。そういう場合は気合と薬で乗り切ることにしている。薬はアメリカの薬が安くて効く。薬屋に行って、風邪だと言うと適当に薬を選んでくれる。以前、アメリカで風邪をひいた時、初めてアメリカの薬屋に薬を買いに行った。薬屋で、熱はどうだ、咳はどうだと聞かれ、最後に「いつもはどんな薬を飲んでいるか」と問われた。普段はバッファリンを飲んでいるのだが、あれは日本の薬だし、そもそも風邪薬ではないからなー、と困っていると、「どんな薬だ、どんな薬だ」と畳みかけてくる。しかたが無いので「バッファリン」と言ってみると、「あー、バッファリンね」とあっさり理解されてしまった。あれっ、日本の薬なのに知ってるんだと思ったら、バッファリンはもともとアメリカの薬でアメリカでも売っているらしかった。ただ、バッファリンはなかったので同じ成分のアスピリンをくれた。このアスピリンはえらく安く、確か100錠で5ドルくらいだったように記憶している。余談だが、以前アメリカのホテルで怪我をしたのでフロントでバンドエイドをもらおうと思った。しかし、バンドエイドを英語で何と言うのかわからず「指、傷、カット、血、テープ」と言ったらセロテープを出された。やけくそで「バンドエイド」と言ったら、ちゃんとバンドエイドをくれた。世界は狭く、私の知識は浅いのである。最近は海外で熱が高くて関節が痛かったりするとアメリカのファイザー製薬のアドビルという沈痛薬を処方される。これがデカいタブレットで良く効く上、眠くならないので愛用している。今回、フィリピンでアドビルを買うのは初めてである。ホテル近くの薬屋でアドビルを購入したが、10錠で80ペソ、日本円で180円くらい。日本だと同じ成分のエスエス製薬のイブを飲んているが、薬屋で買うと一回り小さいタブレット24錠で500円くらい。日本より少し安い。この薬のおかげで、毎日元気に遊んでいられた。そして、ホテルに帰って倒れこむように眠りに就いての繰り返し。もし、「GWは海外に何しに行ったんですか」と聞かれたら「風邪を治しに」と答えるつもりだ。
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羽田空港 [フィリピン]

フィリピンのマニラ行きの飛行機に乗るため羽田空港に来た。最近は羽田空港の利用頻度が増えてきた。チェックインした後、ラウンジで新聞を読んでいたら、背後から肩をドンドンと叩かれた。叩いた方向を見ると知らない若い(といっても30歳半ばくらいだが)男性がいた。「あっ、すみません」と、ビックリしたアホ面をしていたであろう私以上にビックリしているその男性が言った。私を友人と間違えたらしい。GWにその友人と二人でバンコクに遊びに行くそうで、羽田のANAラウンジで待ち合わせしているらしかった。なんでも、私のゴミのようなバッグにデルタ航空のゴールド・メダリオンのタグが付いていたので間違えたらしい。彼が「お仕事ですか。ビジネスクラスで?」と言うので、イヤイヤ、単なる遊び、しかもシートクラスはエコノミー。ラウンジにいるのは単に「ラウンジ乞食だから」と私が答えると笑っていた。「スカイチームとスターアライアンスの両方で上級会員なんですね。凄いなー。私の友人もそうなんです」。おいおい、舐めてもらっちゃ困る。おいらこう見えてもスカイチームとスターアライアンスの他にワンワールドだってJGCだ。結局30分くらい上級会員自慢、航空会社、航空機や空港、そして東南アジア旅行の話などをひとしきりして彼は立ち去った。面白い男だったが、彼は友人を見つけられたのだろうか。
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5時間だけ入国拒否 [フィリピン]

私が異国の地に着いて最初に異国であることを強く認識する場所は入国審査場だ。日本ではありえないような秩序を欠いた並び方で入国審査を待つところが、あー、もう日本じゃないんだということを猛烈に感じる。当たり前だが、審査官は外国人で質問される言語は外国語。不思議な事にどこの国の審査官も無表情でクールだ。深夜0時をまわってマニラに到着し、入国審査の長い列に並んだ私は思った。しかし、そんなことで闘争本能が萎えてしまうような私ではない。一気にへらへら笑顔モードに切り替えた。私が並んだ窓口の審査官は、やはり無表情。日帝からやって来たエロオヤヂに強大な軍事的力を総動員して無慈悲な鉄槌を食らわすであろうと待ちかまえていた。パスポートと書類を出すとカチャカチャとキーボードを叩きながら滞在日数、ホテル、目的を質問した後、私のパスポートを持ってどこかに行ってしまった。早く入国したいなーと思っていると審査官が戻ってきて、前回フィリピン出国の際に一度取り消しの履歴があるが何故かと聞いてくるではないか。そんなの知らないと言うと、入国審査を中断し、列の後ろで待ってろと言われた。列の後ろに行くと別の審査官が来て、前回フィリピン出国時に一度出国を取り消して、再度出国した履歴があるけど何故かと同じことを聞かれたが、正直、何故もクソも知らない。何故そうなっているのかこっちが聞きたいと言うと、その審査官も私からパスポートを奪ってどこかに行ってしまった。審査官が戻って来て、もう一度列に並び直して入国審査を受けろと言うではないか。さすがに腹が立ってきたが、彼らの国権の行使に対してはあまりに無力である。審査官の機嫌ひとつでおいらの入国が許可されないという事態も起こりうるので、しかたなく長い列の最後尾に並び、入国審査をやり直した。審査官は、さっきと違うヤツだったが、相変わらず無慈悲な鉄槌を食らわせそうな感じであった。そしてヤツは、パスポートを出せと口で言わずに、カウンターを手でドンドンドンと叩くではないか。それまで比較的冷静に対応していた私もその音に軽く切れた。私はパスポートをガラスの仕切りの開いているところにポーンと放り投げた。すると、その審査官は目を三角ににして私を睨みつけて早口の英語で捲し立てた。全部は聞き取れなかったが、どうやら私は入国を拒否されたらしい。ありゃりゃ。しかも、6時まで。。。6時まで入国できないのかと聞くとそうだと言われた。6時って午前か午後かと聞き直すと、午前6時だと言って私のパスポートを投げ返した。そしてあろうことか、手で”シッシッ”と窓口を追うではないか。午前6時ってあと5時間以上もあるぞ。しかし、本当に午前6時を過ぎると入国できるのか。えらい腹が立ったが、まずは入国することが先決である。ダメもとで、別の列に並び、再度入国審査を受けてみることにした。さっきの窓口から一番離れた列に並んで、入国審査を受けてみたがダメだった。やはり、午前6時になったら入国できるから時間になったら来いと言われた。しかたなく隅っこの空いているスペースを見つけて座りこんで待っていたが、しばらくしたら寝てしまっていた。時間をつぶし、ようやく6時過ぎになったので入国審査の列に並び審査を受けたが今度は大丈夫だった。もしかしたら入国できないと思って軽く焦った。入国できて良かった。友達に話したら、強制送還されなかっただけ良かったと思えと言われた。多くを学んだ私は、それ以降、入国審査では笑顔を絶やさず、紳士的な振る舞いを自分に言い聞かせている。この国に入国出来なくなるのは、、、困る。
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テキーラサンライズ [フィリピン]

私は酒が飲めない。正確には酒が非常に弱い。両親も酒が弱いから酒が弱い遺伝子を受け継いだのだろう。ただ、酒を飲みに行ったりするのは好きなので、(ほとんどいないが)仲の良い友人とは飲みに行く。海外に行って夜遊びする時などは、さすがに、ジュース、、、というのもかっこ悪いので一応ビールを飲む。フィリピンに行くとサンミゲル、タイではシンハー、ラオスのビア・ラオをよく飲む。しかし、ベトナムとカンボジアのビールがあまり好きではない。ベトナムはビールにガシガシ氷を入れるし、カンボジアで飲んだビールは癖があってあまり好きにはなれなかった。フィリピンで一番ポピュラーなビールはサンミゲル。サンミゲルはありがたいことに欧米や日本のビールに比べて若干ではあるが安め。しかも、アルコール度数の弱いサンミゲルLiteやアルコール度数が激弱で林檎味やレモン味のフレーバービヤなど私向きの品揃えの良さに大助かりである。いつもはたいがい一人旅をする私が友人とフィリピンのAngelesに行って夜の街に繰り出し、女の子を呼んで飲んでいた。フィリピンでは店で酒を飲む場合、法律で女の子を呼ばなくてはいけないことになっている。少なくとも私はそう理解している。法律で規定されているのであれば仕方がない。されていれば、、、だけど。されていなかったかもしれないけど。。。勘違いだったかな。それはあまり重要ではないのでさておき、その日の私は心が解き放たれたように、ご機嫌であった。一緒にいた友人は酒が強いのだが、友人と女の子たちとテキーラをショットグラスでガンガン一気飲みしていた。ガンガンである。男らしい響きだ。私の友人は10杯くらい、女の子たちもかなり飲んでいた。私もすでにガンガン二杯やっつけた。今日は行けそうな感じがする。そして、三杯目を飲み終えたところまでは覚えていたのだ。。。

。。。朦朧とする意識の中で友人の日本語と女の子の英語がぼんやりと聞こえてくる。私の友人が「バカヤロー、日本じゃ水を飲ますんだよ」と日本語で言い、女の子たちは「水を飲ませてはダメだ」と英語で口論していた。日本語と英語の割には噛みあった口論ではないか。意識がかなり戻ってくると、あーやっちまった、倒れたんだと思いながら、少し気分が悪くなってきたので寝たふりをしていた。しかし、一人じゃなくてよかった。私は意識が完全に戻ったが、枕にしていた女の子の太股がひんやりして気持ちが良かったので、そのまま一時間ほど寝ていた。
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需要と供給 [フィリピン]

フィリピンは良いところである。物価が安く、一般的には人々は優しく人懐っこい。しかし、治安が悪い、と人は言う。確かに日本に比べると格段に悪い。他の東南アジアの国々に比べてもかなり悪い。しかし、日本だって治安の悪い場所はいくらでもあるのだ。治安の悪い場所に行かないとか、治安が悪い場所に行っても気をつけるとか、いくらでも対処方法はあるのだ。要は自分しだい。私は基本的には治安の良い場所しか行かない。安全な行動を心がけるのはツーリストとしてのイ・ロ・ハのイなのである。フィリピンで治安の良い場所としてすぐに思い浮かぶのは、マニラのマカティ、セブ島やボラカイ、そしてスービックとクラーク。マカティは最近整備された外国人や裕福なフィリピン人向けのお洒落な街。セブはフィリピンでも有名なリゾート地。ボラカイも最近開発されたビーチリゾートで世界中から人がやってくる。スービックとクラークは以前は米軍の基地があった場所。しかし、ボラカイを除けば風俗産業と密接に結びついている。マカティには高級なカラオケやクラブだけでなくゴーゴーバー街がある。スービックとクラークには由緒正しいゴーゴーバー街がある。ゴーゴーバーとは詳しく説明するとゴーゴーバーなのである。セブ島だって負けちゃいないぞ、ビキニバーがたくさんある。ビキニバーを詳しく説明するとビキニバーなのである。これらの風俗の生い立ちは、最初はアメリカとフィリピンの友好関係、および、アメリカさんの需要があるから私らフィリピン人がサービスを供給すっか、という需給関係により成立した。その後フィリピンの主要産業として独自の進化を遂げ、その進化の過程で日本の高度成長やバブル経済、韓国の台頭、中国の経済成長などが影響を及ぼしたと考えられる。すなわち、持ち慣れぬ大金を持ってしまった貧乏人が”研修旅行”などと称してフィリピンに押し寄せ、現地にカネをバラ撒いたことで洗練の度合いを深めた。このように書くと、私がフィリピンの風俗にハマっていると勘違されかねないが、そうではない。私はGOGOバーやBikiniバーなんぞに一度として行ったことはない。私が行くのはゴーゴーバーやビキニバーなのである。しかし、私がゴーゴーバーやビキニバーに行ったところで、リンゴジュースやレモンジュースを飲みながら若くて綺麗な女の子と話をするだけである。なんら疾しいところは無いのである。何が言いたかったんだっけ。そうそう、だから、フィリピンは良いところなのである。
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Hotel California [フィリピン]

Hotel Californiaという名前のホテルは世界中に沢山あるようである。Agodaとかで検索すると、もの凄い数がヒットする。何もそんな名前を付けなくても、、、と思うのだが、思っていながらも何故か泊まってしまうホテルカリフォルニア。今まで3つのホテルカリフォルニアに泊まった。1つはバンコクのスクンビットのソイ30にある安宿。深夜遅い時間にバンコクに到着したので1泊寝るだけ。安い割に意外と良かった。もうひとつはセブのマクタン島にあった、これも安宿。ここも、価格が安いなりのパフォーマンスで悪くはなかった。もう一軒は、フィリピンのパンパンガ州Angeles cityにあるホテルカリフォルニア。まー、ここも宿泊費は格安。ただ、ホテルの建物は古い上、お世辞にも部屋も綺麗とは言い難い。小学校の時に友達の古い家に遊び行った時、亡くなったお婆さんの部屋に入っちゃった感じがする。場所もメインストリートからかなり離れていて、周囲には何もない。このホテルの1階に2、3台のビリヤード台があって、その横にバーカウンターなどもあった。まだ、昼間だったせいか誰もビリヤードをしていなかった。そういえば、The Magicianという異名をとったビリヤードの世界チャンピオン、エフレン・レイエスはAngeles cityの出身だ。まー、私にナインボールを突かせたらエフレン・レイエスといい勝負なのだろうが、いかんせん彼がいないのでそれを証明することができずに誠に残念であった。暇になったので、ビリヤード、、、はせずにショッピングモールに行って遅い昼飯を喰い、メインストリートにあるパン屋でおやつを食べたりしていると、もう夕方である。早めの晩飯を喰い、ホテルに戻ってロビーに入ると、何か昼間と雰囲気が違う。夜だからカウンターで酒を飲んでいる韓国人がいたり、ビリヤードをやってる男女がいたりするので、昼間と雰囲気が違っていておかしくはないのだ。しかし、なんとなく照明の明かりがエッチな雰囲気なのだ。あたりを見回すと、赤、青、黄、金、銀、、、と派手な色のドレスを着た現地の若い女性がたくさんロビーに座っているではないか。エッチな雰囲気はこれね。しかし、何してるんだろう、、、と純粋に学術的な興味を持って、ホテルのフロントにいたスタッフに聞いてみた。はっきりと断っておくが、別に若い現地の女性に興味があったわけではない。何故、夜の帳にエッチな照明が煌めくホテルのロビーに派手なドレスを着た若い女性がたくさんいるのか、ということに興味があったからである。スタッフの説明によると、バーカウンターで一杯奢ると、ビリヤードの相手をしてくれる。ふーん、彼女たちは相当ビリヤードが上手なのか。そして、気にいったらホテルにお金を払うと、次の日の朝まで彼女を好きにできる。ふんふん、彼女たちはこのあたりの観光ガイドだったんだ。。。私は観光ガイドなど不要である。しかし、私のビリヤードの腕を軽く見せておくのも悪くない、と考えビリヤードだけ相手をしてもらおうと思って、たくさんいる女の子のうち、一番綺麗な子にビリヤードのお手合わせをお願いした。彼女はオレンジジュース一杯でOKしてくれた。私は、あくまでも、急にビリヤードがしたくなっただけである。下心など一切ない。彼女の名前は「Angel」。Angeles cityのAngele。港のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカみたい。名前は本名か聞いてみると、本名じゃないって。歳は「19」。若いねー。別に、いろいろ聞いたのはエロおやじの悲しい性ではなく、勝負をする上で必要な措置なのだ。彼女に勝った後で、「緊張していたから負けた」とか言われるのも癪なので、彼女の気持ちをほぐす意味も含まれているのだ。「彼氏はいるの?」と聞いてみると、彼氏はいないらしい。ほーっ。別に変な意味で聞いたのではない。どれくらいビリヤードに賭けているかを確かめるために聞いたのだ。彼氏なんぞにうつつを抜かしているとビリヤードがおろそかになってしまう。私と手合わせするのなら、それくらいの覚悟が必要なのだ。「しかし、きみ胸が大きいね♡」と言うと、「ベッドで確かめてみたら♡♡」と。うううっ、そうではないのだ。胸が大きいとショットの時に邪魔になるので、私が彼女を打ちのめした後で言い訳に使われるのが嫌だった。”大きい胸を負けた時の言い訳はするなよ”と遠まわしに注意しただけなのである。なんだか、フィリピンパブの様相を呈しており、変な方向に行きかけてきたのでビリヤードを始めることにした。最初のゲームは彼女のショットから始めた。しかし、彼女のショットを見る限り、お世辞にも上手とは言えない。どっちかというとヘタ。彼女に聞いてみても、「ビリヤードは、そんなに上手じゃないよ」と言っていた。なんだ、それなら、君が1ゲーム勝つごとに、奥にいる娘全員に一杯づつご馳走するよ、と言うとみんな喜んでビリヤード台の周囲に群がってきた。結局、ナインボール7ゲームの熱戦は私の3勝4敗で幕を閉じた。この3勝4敗というところがミソなのだ。普通なら私が全勝するのは火を見るよりも明らかである。しかし、それでは大人げない。かといって、全部負けてあげるのはわざとらしすぎる。そこで、3勝4敗なのである。それにしても今晩は疲れた。疲れたのは、ビリヤードのことだぞっ。
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シグナル8 - 後篇 [フィリピン]

(続き)
彼女の提示した最終的な選択肢は次の通り。①午後11時30分の飛行機で香港まで行く、②成田発マニラ行きは空席があるので普通運賃で買い直す、③旅行自体を諦める。馬鹿かーっ。私は悪魔に魂を売ることがあっても、若くて可愛い女性に魂まで売り渡すつもりはない。ちなみに、①の「「午後11時30分の飛行機で香港まで行く」だけ行って、どうしろって言うの?」って聞いたら、「向こうで頑張ってください」だって。。。君は本当に東証一部上場企業の社員か。まー、面白いから許すけどさー。若くて可愛い女性職員からの選択肢は飲めないので、私の方から二つの要求を提示し確認してもらうことにした。①他社便(その時点でキャセイはキャンセルになっていなかった)が飛ぶようだったら他社便に振り替える、②片道だけ成田発のマニラ行きを無償で提供し、かつ、私の持っている航空券の復路が無効にならないようにフィリピン航空も含めて調整・手配する。①は、そもそも他社便も飛ばないだろうから可能性は薄い。②はANAさんの努力で可能なので現実的にはこの選択肢しかないと思われる。ただ、私の航空券は行きと帰りの使用順序が規定されていて、順序どおりに使用しなければ無効になってしまう。すなわち、ANAの航空券は往きの羽田→香港、帰りの香港→羽田の順番で使用しなければならない。なので、往きの羽田→香港をパスして帰りの香港→羽田だけ使用することはできない。香港⇔マニラの航空券もしかり。。。私の要求を確認して戻ってきた若くて可愛い女性職員の回答は、どちらも駄目という回答だった。そうか。わかった。君は私に対して”No”と言う権限しか与えられていないようだ。私に”Yes”と回答できる権限を持っているスタッフと話をさせてくれ。若くて可愛い女性職員である君のことは変わりなく好きだ。しかし、恋愛と仕事はまた別の問題である。私は君に立派な社員になって欲しいので、あえて厳しことを言う。だが、この交渉が首尾よく終わったら、我々はまた元の恋人同士に戻れる、、、と深ーい妄想に入った。結局、彼女の上位の職員と話をして、同日夕方の成田発マニラ行きの空席を押えてもらった。そして、私の航空券の往きを使用しなくても、航空券自体が無効にならないように手続きしてもらえた。満足のいく対応に感謝し、さっきの若くて可愛い女性職員にも御礼方々、私が帰国した後の休暇の楽しみ方などについて話し合おうと思い、彼女を呼んでもらおうとしたところ、交代勤務で帰宅したとのことだった。そーかそーか、私に何も言わずに帰っちゃったのね。ゆっくり休んでね。そして、私は羽田空港から成田空港に向かったのであった。ちなみに、帰国後、成田発マニラ行きの航空券を手配してくれたスタッフに感謝を示すためにANAさんにお礼状を書いた。私は単なるクレーマーではないのだ。
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シグナル8 - 前篇 [フィリピン]

去年の夏、羽田空港から香港を経由しフィリピンに行った、いや正確には”その経路で”行く予定だった。早朝便だったので、高鳴る胸の鼓動を抑えて、始発電車で羽田空港に向かった。出発フロアーに上がると何か険悪な感じをヒシヒシと感じる。経験上、飛行機の遅延、キャンセル、または大量中国人の跋扈であることは察知できた。チェックインカウンターに行くと、案の定、遅延だった。香港に物凄く大きな台風が来ていて飛行機が着陸できないらしい。以前、香港で「シグナル8」という台風警報に接したことがあった。基本的に学校がお休みになり、仕事もしてはいけないらしい。証券取引所やタクシーなどもストップしてしまう。チェックインカウンターで「シグナル8ですか?」と聞くと、「はい。定刻午前8時55分発の全日空1171便は午後11時30分に変更しました」と明るい声が返ってくる。おおっ、若くて可愛い全日空職員ではないか。偶然ですな。私は、本当は綺麗な女性がいいのだが、若くて可愛い女性でも仕方ない。彼女のたってのお願いであれば2時間半くらい問題ないですよ、と格好よく、かつ大人らしい余裕のある反応を示した。さらに彼女は私に1万円の入った封筒をこっそり渡すではないか。おいおい、見損なうな。おいらは金で自分の体を売り渡すような男ではない。しかし、君がそこまで私のことを思うのであれば、その一図な気持ちを無にするのは私の本意ではない。一旦、このお金は預かっておき、羽田エクセル東急ホテルの予約を入れるけどいいね、、、と妄想していたら、彼女は「いえ、午前11時半ではなく、午後11半。”にじゅーさんじさんじゅっぷん”です」とはっきりとした発音で言った。いやいやいや、私は今日、香港で香港18時発PR307便に乗り継いでマニラに行くんだぞ。乗り継ぎできないじゃん。確かに、天災なので航空会社には補償の責務は生じない。本来必要の無い”お詫び”の1万円を渡したよね。14時間35分後とはいえ代替便も用意してるよね。さらに、言いたくは無いが乗り継ぎ便にしたのは、あなたの勝手よね。しかも、アライアンスが異なる他社便。通しで全日空便、せめてスターアライアンスの航空会社便であればなんとかしたのにー、ぷんぷん。東証一部上場企業で、1952年12月27日設立の歴史を誇り、2012年3月期の連結売り上げが1兆4千億円を超える日本を代表する航空会社の一つであるANAホールディングス株式会社としては、法律的、かつ道義的に必要以上のことをやってるよね感をぷんぷん臭わせながら私に迫ってくるのであった。(続く)
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鉄道 [フィリピン]

マニラの南側、アラバンというところにフィリンベスト・シティという街がある。ビジネスセンターやショッピングモールが立ち並ぶフィリピンらしくない良く整備された街である。新しくて綺麗なホテルが多くあり、しかも比較的安く泊まれる。しかし、マニラのダウンタウンからは少し離れていてタクシーで30分くらいかかる。ホテルでパブリックタクシーを頼んでもなかなか来てもらえず白タクしか捕まらない。白タクだとパブリックタクシーの二倍くらいかかるので急いでいる時しか使いたくない。一度、ジープニーを使ったが、ぎゅうぎゅう詰めで約1時間はちょっとキツイ。私の席の両側と向かい側が若くて綺麗な女性だったら話は別だが。。。なんかいい方法はないものか、ホテルの若くて綺麗な受付の女性に聞いてみた。すると、「私が車で送ってあげてもいいわよ」、なんてことは言わず、本数は少ないけどパサイやエドサなら鉄道で行く方法もあると教えてくれた。おおっ、フィリピンではLRTとかMRTしか乗ったことがないので、良いではないか。と、教えてもらった駅に向かった。若くて綺麗な受付の女性は「すぐ近く」と言っていたが、全然近くないじゃないか。少し迷ったこともあって1時間くらい歩いて到着した。しかし駅舎はボロボロで電車が走っているか怪しい。駅員らしき者はいない上、切符売り場らしき窓口もない。しかし、人はいる。ホームを覗いてみると子供たちがトロッコで遊んでいるではないか。もう少しズンズン進んでみると、黒板に手書きで時刻表が書いてある。1~2時間に1本くらい電車があるではないか。若くて綺麗な女性を探してパサイ方面に行く方法を聞いてみようと思ったが、そんなのいないので近くにいたおばさんに聞いてみた。おばさんは、「パサイに行くのはあっちの駅だ、この駅からは”あれ”に乗って”なんとか”方面へ行く」と、子供が遊んでいるトロッコを指さしながら教えてくれた。ちょっと待て。もしや”あれ”は公共ないしは営利目的の鉄道なのか?もう一度、おばさんに”あれ”について聞いてみると、「”あれ”に乗って”なんとか”方面に行く」と教えてくれた。運賃は7ペソだそうである。良く見ると、”あれ”には、パイプを並べた椅子のようなものがあり、確かに”乗客”が座っている。しかも、子供だと思っていた人々はれっきとした大人だった。てんでばらばらなTシャツ姿だが、彼らは”ぽっぽや”なのかもしれない。しばらくすると”ぽっぽや”達が大騒ぎしだし、後ろから”あれ”を押して”なんとか”方面に走っていくではないか。私は茫然と彼らの出発を見送った。噂には聞いていたが人力の鉄道トロッコを初めて見た、、、などと感慨に耽っている場合ではなく、私は鉄道でパサイに行きたいんだ。再度、おばさんに聞くと、「駅が違う、こっちじゃなくて、あっち」だそう。どうやら駅が二つあって、パサイに行くのは別の駅らしかった。ただ、”あれ”でパサイまで行くのはどうだろう。またまた、おばさんに「パサイ方面に行くのも、”あれ”と同じもので行くのか」と聞くと、ちゃんとした鉄道である旨の回答があった。ちょっと、安心したが、ここフィリピンでは実際に自分の目で確認しないことにはわからない。なんだか、もっと”あれ”の運用方法などを詳細に研究したかったが、よんどころ無い所要でパサイに向かうため、おばさんが指さしてくれた方向に向かうことにした。たしかに駅らしいものが見える。駅に行くと、それは間違いなく駅であった。切符売り場もある。ただ、時刻表が黒板に手書きなのが気になったが、少ししたらディーゼル車がやって来た。おおっ、ちゃんとした列車ではないか。しかし、待てよ。実はちゃんとした列車と”ぽっぽや”人力鉄道トロッコをミックスした運用をしていて、たまたま今回はちゃんとした列車に乗れただけなのではないか、、、という疑問を残しつつ列車は発車したのだった。
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タクシー [フィリピン]

個人的にフィリピンで一番使用するのはタクシー。タクシーはパブリックタクシー、エアポートタクシー、その他に潜りのタクシーなんかがある。パブリックタクシーは一般的な街中で捕まえる白いボディのタクシー。エアポートタクシーは空港にいる黄色いタクシーで、パブリックタクシーが空港の到着口まで入ってこれないため一般的には空港からはエアポートタクシーを使うことになる。また、ちょっといかがわしくて、タクシーを捕まえづらいような場所にいたりする潜りのタクシーがある。日本のタクシーと違うのが価格交渉。パブリックタクシーはメーターを使わなければいけないのだが、多くのドライバーがメーターを使わずに高めの金額を吹っかけてくる。発車前に吹っかけてくる奴はまだいい方で、メーターを使わずに目的地に着くととんでもない金額を言ってくる。東南アジアのタクシーはメーターを使わないことが多いが、フィリピンはやや悪質な感じ。私は価格交渉が嫌いではないが、何故かみんな嫌がる。パブリックタクシーは初乗り40ペソと安いので良く使う、、、というか徒歩を含めた移動の80%はパブリックタクシー。年がら年中暑いからタクシー。夜は危険なのでタクシー。徒歩10分のコンビニ、ドーナツ屋さんもスタバもタクシー。全部タクシー。タクシーは概ね日本車なので安心感がある。韓国製の車だったら安全面で不安だ。しかし、日本車だが、かなり古くてボロい。サビサビ、グラグラ、ガタガタ。雨漏りがあったりとかもする。フィリピンでは下水や排水の整備がちゃんとされていないので、大雨が降ったり、台風が来るとすぐに冠水してしまう。一度、日本に帰る日にかなり大きな台風に遭遇した。ホテルから空港にタクシーで向かう時、右側の窓が完全に閉まらないのでかなりの量の雨が入って来た。しかたなく左側のシートに座ってこれをやり過ごす。しかも空港に向かうために海沿いの道路を走っていたのだが、海からの飛沫も加わって物凄い量の水がタクシーに流れ込んできた。おいらすでにずぶ濡れ。運転手も前にいるのにずぶ濡れ。ダメ押しに冠水している道路にガンガン入って行き、時折、ドアから水が少し入ってきたりする。気が付くと足元の水位が大変なことになって足を床に付けていられなくなった。そして、タクシーが左右に激しくローリングすると、ちゃぷちゃぷ床に貯まった水が跳ねてくる。沈没する船に乗っている訳ではなくタクシーに乗っているのだ。しかし、タクシーの排気管から水を吸い込まず、エンジンが止まらなかったのは奇跡だった。
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バス [フィリピン]

フィリピンでジープニーに次ぐ二番目にメジャーな公共交通機関はバス。短距離から長距離、超長距離まで揃っている。頑張って乗り継げば国内のほとんどの場所にバスで行くことができる。しかも安い。私の場合、良く利用するのは長距離で、メトロマニラから隣のパンパンガ州(2~3時間)、サンバレス州(3~4時間)まで200ペソしない安さ。さすがに最近は長距離バスはほとんどエアコン付きだが、短距離は今だにエアコンなしの窓全開バスが結構走っている。フィリピンのバスも最初に乗った時は笑った。タガイタイに行く時、マニラ・シティーホールのバスターミナル(?)からバスに乗った。エアコンがガンガンに効いているものの意外と快適。しかし、信号で止まった時、プシューっという音がしてドアが開き、大量の食べ物や飲み物を抱えた人たちがドカドカと乗り込んできた。ビックリして見ていると10人ぐらいの売り子が「なんちゃらかんちゃらー」と掛け声をかけながら、ミネラルウォーター、ホットドッグ、ピーナッツから、串に刺さった焼き魚などを販売している。長距離だから車内販売なのねーと思い、私もミネラルウォーターを購入した。値段はコンビニとだいたい同じ。しかし、ミネラルウォーターのボトルが使われているが、実は捨てられているボトルを拾ってきて水道水を補充したのかもしれない。いやいや、水道水ならまだしも、そのへんのドブ川の水を補充したんじゃないだろうか、と日光に透かしてみるが濁ってはいなさそうである。キャップも開けられた形跡はなさそうである。しかし、巧妙に元通りにされているのかもしれない。これは、もう個人的なトリックというより、組織的な犯罪に近い、、、などと考えていたら、急に売り子のおっさん達が潮がひくようにバスから降りて行く。この間、1~2分間。そして、何もなかったかのようにバスが発車した。そして、次の信号で止まると、また別の売り子のおっさんの一団が乗り込んできた。結局、目的地に着くまで、信号で止まる都度、売り子のおっさん達が乗り込んできて営業活動に従事するのであった。日本では考えられないので最初はビックリしたが、考えようによっては、日本で高速道路を運転する時、サービスエリアというサービスエリアに寄って買い食いするような私には好都合なシステムなのかもしれない。ただし、煩くて寝てられないのは困りものである。
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パラポ [フィリピン]

フィリピンで一番メジャーな移動手段はジープニーとバス。ジープニーはジープの乗り合い自動車で向こうの人は「ジープ」と言っている。これが、最初は乗り方がわからず苦労した。まず、どこに行くのかわからない。運賃がいくらか、どうやって払うのか。そして、どうやって乗り降りするのか。。。見ていると、道路上のあちこちで手を挙げてジープニーを停めて勝手に乗りこんでいる。降りる時も決まったところで止まるわけではなさそうだ。ふんふん、乗り降りする方法はなんとなくわかった。とりあえず乗っちゃえ、、、と、まずはジープニーを待ってそうな綺麗な若い女性を探す。このあたりは、まー付加価値を探している訳であるが、私の”綺麗な”を数値化すると綺麗度50~100の範囲と寛容なのですぐに見つかる。すかさずジープニーを待っていそうな若くて綺麗な女性のところに行き、ジープニーの運賃はいくらか聞くと、急な質問に驚いた様子も見せずに笑顔で「8ペソ」と教えてくれた。おおっ、親切な娘さんではないか。ついでに、行き先は、どーやってわかるのか聞いてみると、前と横に行き先が書いてあるらしい。ちなみに、娘さん、あなたはどこに行くのかと聞いてみると「なんとかかんとか」だそうで、必然的に私の行先も「なんとかかんとか」というところに落ち着いた。すると、その「なんとかかんとか」行きのジープニーが来たらしく、彼女は手を挙げてジープニーを止めた。簡単。彼女と一緒にジープニーに乗り込むのだが、すでに満員と思しき車内に彼女はグイグイ入っていく。私をジープニー初心者と憐れんだ彼女はちっちゃな空間に強引に二人で座るため、私の手を引いて座席に誘うのである。若い女性に手を引かれる老人としては、なんとも良い感じである。私は小銭がないので20ペソ紙幣を出すと、彼女は私の20ペソを奪い取り、「テクマクマヤコン」みたいなおまじないを言って前方の客に私の20ペソ紙幣と自分の8ペソ分の硬貨を預けた。ヤバイっ、彼女は美人局だったのか。まんまとハマってしまった。「テクマクマヤコン」は暗号で、「こいつは、日本のシャチョーサンだよ」という意味に違いない。今、金目のものは時計、財布にVISAカードと10,000ペソくらいの大金が入っている。お金を取られるだけではなく、大金なので口封じのために殺されて、あの汚い川とかに捨てられてしまうのか。あんな汚いところに捨てられると臭くてたまらないから、完全に息の根を止めてからにしてくれ、、、と勝手に妄想していると、前の方から知らない乗客の手から手へと何かが戻ってきて、彼女のところで止まった。ヤバイ、睡眠薬の注射器だっ。私を眠らせる気だ、、、とかビビっていると、彼女は私の手に12ペソを渡してくれた。なーんと、私を眠らせる注射器ではなく、おつりがバケツリレーで戻ってきたのである!凄いシステムだ。国民一人あたりのGDPが日本の1/30くらいの貧しい国でこんなに人々を信用できるのか、、、と感動し、隣の若い女性にこの感動を伝えようとしたら、彼女は「なんとかー」と別のおまじないを言ったかと思うとジープニーが止まり、降りて行ってしまった。私も、一緒に降りようと思ったがギュウギュウ詰めで動けず、しかたなくそのまま乗っていた。さようなら、若くて綺麗な女性よ。ずいぶんあっさりではないか。一言「私は降りるわよ。あなたも降りる」くらい言ってくれてもよかったのに、、、とまた妄想していたが、妄想している場合ではない。乗ったからには降りなくてはいけない。どこかに日本のバスのような「次止まります」のブザーがあるんだろうか、と探したがそんなものあるわけない。乗客はてんでバラバラに降りていくように見える。中にはちゃんと止まっていないのに乗り降りしている輩もいる。どうやって降りるのかわからないまま、ものすごく暑い中を30分くらいギュウギュウ詰めのジープニーに乗って汗だく・汗まみれで終点の「なんとかかんとか」に着いてしまった。結局、降り方がわからなかったので、運転手に降りるときはどうするのか聞いてみたら、「パラ」と言えば好きなところで停めてやる、と言っていた。なーるほど、パラか。今日は、勉強になった。暑いので、タクシーでホテルに戻ろう、とエアコンが効いた快適なタクシーに乗って、ホテルに戻ったのであった。
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笑の国 [フィリピン]

フィリピンは東南アジアの中でも群を抜く愉快な国。何度訪れても楽しい。この国の面白さは、アジアの中でもラテンの血が最も色濃く混ざっているからなのだろうか。交差点で止まっている車の窓を勝手に拭いてお金をせびるなんて当たり前。ここでは、なんでもアイデア勝負。交通量が多いロハス・ブルーバードあたりでUターンできずに苦しんでいる車がいると、どこからともなく人がやって来て、結構なスピードで走っている車を捌きながら、勝手にUターンをアシストしてお金をせびる。そーかと思えば、大渋滞でまったく動かないタクシーの中からボーっと外を眺めていると、歩道から小汚いオヤヂが出てきて、大きなアクションで手招きをしている。1台の車がオヤヂの方にゆっくり向かうとオヤヂは小走りで車を先導し、さらにもう一人小汚いオヤヂが現れたかと思うと、小汚いオヤヂ二人で特別頑丈そうなガードレールをカパッと、そうカパッと外して歩道の中に車を招き入れている。そして、車は少しだけ渋滞の先に出て、割り込みしながら出てきた。私の車からは少し先だったので良く見えなかったが、きっと車の運転手は小汚いオヤヂにチップを渡したんだろう。なんとも最初はビックリした。が、考えようによっては、とてつもなく合理的なのかも知れない。需要と供給のバランスが取れてるし、失業率の低下にも貢献しているような気がする。とんでもないビジネスモデルを編み出す小汚いオヤヂ達は、実はビジネスセンスとアイデアに溢れていたのだった。何だか日本とは別の方向に”おもてなし”が進化しているような気がする。
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腰痛の宿 [フィリピン]

マニラの北側にイントラムロスという場所がある。スペイン統治時代に作られた城壁に囲まれた街で、世界遺産のサン・アグスチン教会がある風光明媚な観光地である。観光地であるとともに大学や学校がある文教地区でもある。そんな訳で、夜などはちょっと薄暗いのだけれど、比較的治安は良い場所なのだ。イントラムロスに沿ってゴルフ場があったりもする。とても静かな場所で、スペインチックで宗教的な感じと相まって、夕暮れ時などは幻想的な感じもする。ちょっと恰好良い私にこそ相応しい場所なのだ。私がマニラで比較的良く泊まるのは、このイントラムロスにあるThe Bayleaf Intramuros。比較的新しくて、綺麗な上、スタッフはフレンドリーで、セキュリティも良いお気に入りのホテルである。マニラのホテルは高くて良いホテルか、安くて良くないホテルと両極端であるが、その点、このThe Bayleaf Intramurosはコストパフォーマンスが良いのである。私は面が割れているのでチェックインの時には「お帰りなさい」と言ってもらえる、気持ちの良いホテルでもある。可愛い女性がレセプションにいるのもポイントが高い。いつも格好をつけてチェックイン、チェックアウトなのである。宿泊中も意味もなくレセプションに立ち寄り、軽いジョークと差し障りの無い範囲での嘘などを交えて受付の女性の気を引いている。あわよくば食事など、、、とそれとなく誘いをかけても上手に断られているのであった。しかし、何故かこのホテルに泊まると、よく腰痛を起こす。10回以上泊まって、3回ほど腰痛を発症している。2回はチェックインの時に発症したので、ベッドが悪いとかいうことではない。何かを期待して知らず知らずのうちに腰を酷使しているのだろうか。腰痛はギックリ腰なので発症した瞬間の激痛は、体が崩れるような感覚がある。海外でギックリ腰を発症した時ほど恐ろしいことはない。ベッドの上で痛みに悶絶しているのでは何のために海外まで来たのかわからない。その上、帰りの狭い飛行機の座席に何時間も固定されていることを考えると空恐ろしい。いっそのこと一週間無断欠勤して、滞在を延長してしまおうかと考えたりする(腰痛が出なくてもそうだけど、、、)。それよりも恐ろしいのは、このホテルでは、ちょっと恰好良いイメージを定着させる努力が腰痛のおかげで台無しになること。私がお爺さんのように腰を曲げてゆっくり歩いていると、最初はビックリして同情を示すが、しばらくすると笑いをこらえているように感じる。レセプションの可愛い子は、この先も格好良い私の誘いを受けない、、、だろう。
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微笑みの国 [フィリピン]

ここ暫くフィリピンにばかり旅行している。理由は、近・早・安・笑。東京から4時間、飛行機も比較的出発時間を選べるほど便が豊富だし、航空券の価格も他の人気のある東南アジアの国と比べて安い。そして物価が安い。言葉も英語が通じるので安心。しかし、決して私が英語に堪能という意味ではない。タイ語、ベトナム語、カンボジア語やビルマ語などよりは意思疎通がしやすいというだけのことである。あと、恰好よく言うと、「発展途上の熱気」がある。本当はどーでもいいんだけど。。。さらに、もうひとつ大きな要因として、私の”都市好き”がある。都市好きと言っても自然が嫌いなだけで比較の問題。とにかく自然が嫌いなので必然的に都市を旅することになる。フィリピンのマニラは大都市で、特にマカティなどは六本木や青山とちっとも変らないくらいお洒落な街だ。初めてフィリピンに行った20世紀の最後、空港に到着してターミナルのボロさに驚いた。安全だと言われている空港タクシーにえらい遠回りされた上にボッタクられ、ホテルでは法外なデポジットを預けさせられた上にチェックアウトの時に「そんなの知らない」と言われた。初めて乗ったトライク(人力三輪車)に最初50ペソと交渉したのに「明日は15日だから特別」と訳のわからない理由で二倍も取られ、もうこんな秩序の無いフィリピンは嫌だ、と思ってたどり着いたマカティは建設ラッシュだった。当時からマニラの市内でここだけが違っていた。マカティの街は殺気立っているマニラとは明らかに違った。しかし、翌朝、マカティの横断歩道で信号待ちしていた時、交通整理していたおまわりが、私に向かって歩いてきて「千円ちょーだい」と言われた時はどこも同じかよと思い、ちょっとだけ落胆しながら、しかしこの面白すぎる国に笑いが止まらなくて困った。”微笑みの国”とは、本当はフィリピンのことなのかもしれない。
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チャンプ [フィリピン]

マニラから日本に帰る日、ホテルからタクシーで空港に向かうことにした。天気が良く、気持ちの良い暑さだったが、タクシーの運転手がメーターを使うかどうか、、、いつも面倒くさい心配をしなきゃいけないのが毎度のこと面倒くさい。おやっ、今日のこの運転手はすんなりメーターを倒すではないか。悪人面の割に真面目だな。どうせホテルのスタッフがナンバーとかをちゃんとチェックしてたからだろう、と思いながらホテルから通りに出る。私は外国人の悪人面に”ゴンザレス”という名前を付けることにしている。「どっちのターミナルだ?」とゴンザレスが言うので、「ターミナル2だ」と答えると、にこやかに「おっけー」だって。ありゃりゃ、意外と良い奴かも。いやいや、こんなことで安心させておいて、降りる時に倍くらい吹っかけてくるんだろう。そんなのお見通しだぜ、と気持ちを引き締める。空港ターミナルに着く前にゴンザレスが急に「フジワラを知ってるか?フジワラ コウジ」って、、、知らないよそんな奴。誰だろうと思って話を聞いていると、このゴンザレス、ボクシングの元フィリピンフライ級チャンピオンのユージン・ゴンサレスらしい(フジワラもユージン・ゴンサレスもまったく知らないが、、、)。しかし、なんと彼はやっぱりゴンザレスだった。そのフジワラには大阪で勝ったって言ってた。日本では4回試合をしたらしい。戦績を聞いたが30勝10敗とか言っていた。「今じゃタクシードライバーだよ」と屈託なく笑ってたのが少し悲しかった。タクシーメーターは180ペソくらいだったので本来は200ぺソあげるところ。でも、心優しい私は「サンキュー、チャンプ」と言って250ペソを渡し、タクシーを降りたのだった。恰好良いぞ、今日のおいら。
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