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ガキが嫌い [フィリピン]

貧困地域にいる小汚いガキが大嫌い。金をせびり、執拗に追いかけて来て、ウンチをした後で手を洗わないどころか、生まれてこのかた洗ったことの無いような小汚い手で体に触られようものなら虫唾が走る。ただでさえ不愉快なのに金や持ち物を盗もうとしたり、軽く恫喝してくることすらある。どう見ても日本で言えば未就学年齢である。誤解の無いように言っておくが、私は子供が好きだ。そんな私が、先日、フィリピンのクラークで小汚いガキどもの襲撃を受けた。私も迂闊だった。いつもは、治安の良くない場所を歩く時は前後左右を意識するのだが、この時は友達が「街の写真を送ってくれ」と言うので、左手にミネラルウォーターのペットボトルが入ったビニール袋を持ち、右手でスマホの写真を撮り、そして悪いことに文庫本をジーパンの後ろのお尻の所に突っ込んでいた。ホテルが見えるところまで来て、5人の小汚いガキが同時に私のジーパンのポケットとジーパンの後ろに突っ込んだ文庫本に手を伸ばしてきた。私は財布、紙幣、小銭はジーパンの前のポケットに入れ、後ろのポケットには何も入れない。ジーパンの前のポケットに物を奥まで入れてしまうと取り出しにくいからだ。しかし、この時の私は、小汚いガキから見ると、両手が塞がって、ジーパンの後ろに金を隠しているカモにしか見えなかったのだろう。私は一瞬にして何が起きたかを悟った。とにかく自分の不注意に腹が立ったのと同時に小汚いガキに、私がユニクロで季節外れのセール品1枚700円を、さらに”お纏め買い”で安く買ったTシャツに小汚い手で触られたことに逆上した。司馬遼太郎風に表現すると、『それだけに、地図をのぞきこんでいる児玉の怒りはすさまじかった。(この連中が人を殺してきたのだ)とおもうと、次の行動が、常軌を逸した。その金色燦然たる参謀懸章をつかむや、力まかせにひきちぎった。「貴官の目は、どこについている」とどなった。つぎの言葉が、長くつたえられた。「国家は貴官を大学校に学ばせた。貴官の栄達のために学ばせたのではない」』 司馬遼太郎(1978) 『坂の上の雲5』文春文庫(司馬先生、本当に御免なさい)。とにかくエライ腹が立って、左手に持っていたペットボトルの入ったビニール袋を振り回したが私の攻撃はいとも簡単にガキどもにかわされた。しかも、振り回した反動で体が一回転してしまうという失態を犯した。マズいっ、一回転して元の位置に戻ったと思った刹那、私は右足で思いっきり一番背の高いガキに横蹴りを食らわした。そして、これが絶妙のタイミングで入ってしまい、背の高いガキは漫画のように物凄い勢いで吹っ飛んていった。これには流石に歴戦の勇者である私も狼狽した。ガキが逆襲してくるとマズい。ガキ達のモンスターペアレントたちが慰謝料だ、とか言ってくると更にマズい。そんでもって、児童虐待とかが加わるとさらにマズい。幸い私は何も盗られていないので、ここは将来のある君達のために穏便に済ませてあげようではないか。そんな訳で、出るところに出ても何ら疾しいところはないのだが、今日のところは早く帰って昼寝もしたいしで、一目散にホテルに駆け込んだ。なんとなく後味の悪い昼下がりであった。

そしてその数日後、、、私は機上の人となったのだが、私の席の後方で赤ちゃんが泣いている。飛び立つ前から、ずーっと泣いている。私の席からは少し離れているのでさほど気にはならないのだが、さすがに周囲の雰囲気がよろしくない。漫画家の”さかもと未明”のような話もあったりする昨今ではあるし、2時間も3時間も泣きっぱなしは、さすがに迷惑だ。私がトイレに行った時も赤ちゃんのお母さんは非常口のところに立って必死に赤ちゃんをあやしていたが一向に泣き止む気配がない。周囲の乗客もなんだか怖い雰囲気だ。しかし、これは赤ちゃんが悪い訳でも、お母さんが悪い訳でも、怒っている乗客が悪い訳でも、航空会社が悪い訳でもないのである。ましてや、若くて綺麗なCAさんが悪い訳でもない。私が赤ちゃんを覗きこんだら一瞬泣き止んだ。お母さんはすまなそうに私に頭を下げた。なんのこれしき。調子に乗った私は、周囲の状況をよそに「いくつですか」とか「男の子ですか、女の子ですか」と聞きながら得意の顔芸で「赤ちゃんは泣くのが仕事だもんねー」とあやした。一瞬、赤ちゃんは泣きやんだように見えたが、3秒後に今まで以上の爆音で泣き出した。しまった。お母さんは、「どうもありがとうございました」と言ってくれるが結局泣き止むどころか、状況を悪化させてしまっただけである。ただ、失敗を引きずらないポジティブな私が自分の席に戻るとCAさんが来て「どうもありがとうございました。おかげで、まわりの雰囲気が変わりました」とお礼を言われた。私は子供が好きなのである。
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東南アジア [東南アジア]

東南アジアが好きだ。東南アジアの国々を旅行するのが好きだ。日本や欧米よりも物価が安く、なんとなくノンビリして、ポワーンとしたゆるい雰囲気が好きな理由だと思う。”思う”というのは、なぜ気にいったかがよくわからなかった。若いころから東南アジアには行っていたが、アメリカ、それも東部を好んだ。しかし、ここ7~8年は東南アジアばかりだ。今の私のパスポートは2010年6月に発行されたが、あと4頁でいっぱいになる。でも、東アジア、東南アジア、南アジア以外の国のスタンプはミュンヘンだけだ。

30歳前後の友人や同僚に行きたい海外旅行先を聞くとグアム、サイパン、ハワイがいいと言う。なんとなくわかる。治安が良く、アメリカ、ないしアメリカ領で文明が行きわたっている。しかも、それほど遠くないのにステータスと満足度が高い。30代から40代にかけてはアメリカとヨーロッパが同率1位にランクされ、50代以降はヨーロッパが単独王座を防衛する。これも、理解できる。ちょっと遠いけど、見るべきもの触れるべきものが多い。食事も日本人に馴染みがあって安心感がある。しかも、清潔で治安が良い上、特にヨーロッパなどはお洒落な響きがある。20代前半の若い子は、そもそも海外旅行に興味がないようだ(独断と偏見調べ 東京都と神奈川県のごく一部)。東南アジアではタイが比較的人気だ。食べ物が美味しくて、治安がいいからというのが理由。ただ、東南アジアを敬遠する人が結構いることも事実。理由は、治安や衛生面がよろしくない上、東南アジアの人々はモタモタしてトロいからイライラするらしい。あと、東南アジア=後進国というイメージを持っている人がまだまだいるようだ。一昨年の夏にバンコクに行った時、私と同じ歳の友人にサイアムのあたりの写真を送ったら、「えーっ、タイってこんなに都会なんだ。バナナの木があって像が歩いてるのかと思ってた」と驚いていた。地方に行けばそうだけど。また、母にバンコクやクアラルンプールは大都会だよと言ってもなかなか信用しなかった。シンガポールには行ったことがあるのに。極端な例かもしれないが、こんな人はまだまだいるのだ。「トロくて後進国」というイメージはきっと東南アジアの国々の成り立ちに共通しているのだろう。もともとは、世界でも有数の稲作地帯であるメコンデルタやチャオプラヤーデルタの流域にある国々。私もずっと昔は東南アジアは貧しい国々の集まり、、、といったイメージしかなかったが、ベトナムでメコンデルタの田園風景を初めて見た時には驚いた。この豊かさといったら日本人の私の想像を絶するものだった。青々と茂る稲が無限に広がると錯覚した豊かさには圧倒された。タイのチャオプラヤー川の上流では船に乗って川を渡れば魚が勝手にピョンピョン飛び込んできたし、おじさんたちは川に竿を入れるだけで一家の晩御飯のおかずを手に入れていた。もともと、東南アジアの国々は農業に適した気候である上に、メコン、チャオプラヤー、そしてイラワジなどの豊かな河川の恵みを享受してきた。そして、季節になれば果物が勝手に木から落ちてくる。日本と東南アジアの国々では”豊かさ”とか”貧しさ”の考え方が根底から違っていたのだ。一生懸命働かなくて喰って行ける国。そんな途轍もない幸運のもとに生まれたら人はアクセクしなくなる。そんな、切迫感、緊張感のなさが、少し”トロい”人々を生みだしたのだろう。東南アジアでは、「まー、そこまで頑張って経済を発展させなくてもいいんじゃない」と考えていた国もあっただろうし、戦争や内紛で発展のチャンス自体が奪われていた国もあった。望むと、望まざるとにかかわらず、経済の発展が遅れてしまっていたが、今の東南アジア全域の発展の早さを考えると、もはや後進国という言葉は相応しくない。しかし、東南アジアの国々の発展がこのスピードを維持すると、あっと言う間に物価が上がって、街並みも渋谷や新宿、そして六本木や青山と同じになってしまうのだろう。それはそれでちょっと悲しい。複雑な気分だ。
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マレーシア航空MH370便 [飛行機]

マレーシア航空MH370便は、どうなったのだろうか。どこのテレビ局も興味を無くしちゃったようだけど。自分がこの便に乗っていたとしたら、、、見つかって欲しい。

http://matome.naver.jp/odai/2139424002382812901

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北京の秋 [中国]

「北京の秋はとてつもなく美しい」と北京生まれの友人からよく聞かされた。日本では見られないような澄み切った青い空が広がる季節だという。日本の秋だって綺麗だが。。。だから、という訳ではないが、未だ見ぬ北京に行こうではないかと勇んで出かけた。今から10年近く前のことだ。北京に行った本当の理由はB747SPという飛行機に乗るため。今は旅客機としては絶滅危惧種としてレッドリスト載ってしまったB747SPは、今は亡きパンナムが「ニューヨークから東京まで直行便を飛ばしたいっ」とボーイング社に無理を言ってB747をベースに作らせた機材だった。”必要は発明の母”なのだ。当時の旅客機はニューヨークから東京まで直行することができず、給油のため一旦アンカレッジに寄っていた。B747SPが導入されてニューヨークから東京まで直行できるようになりメデタシメデタシ、、、になるはずだったのだがそうはいかなかった。B747SPは普通のB747の機体を10mくらい短くして軽量化し、軽くなった分、燃料を増やして飛ばすことでニューヨークから東京までをノンストップで飛べるようにしたのだった。機体を10m短くしたことで必然的に座席数が減る→航空会社としてコストパフォーマンスがよろしくない→オイルショックにより燃料が高騰→燃費の良い後継機種が出てきちゃった→他の機材でもニューヨークから東京まで無着陸飛行が可能、というような悪循環を経て経済性の悪いB747SPは絶滅の一途をたどっていった。そこで、早いうちにB747SPに乗っておかねば~と軽ーく考え、B747SPを旅客機として運航している航空会社を探してみると、なんとイラン航空とシリア航空しかなかった。そうかー、イランとかシリアとか行ってみたい気はするが、行くのが面倒臭そうな上に、いつも”戦争”、”紛争”、”危機”の二文字が新聞の見出しを賑わしている国だもんなー。母親に言ったらきっと気絶するから、と乗るのを諦めかけていた。しかし、イラン航空のサイトを調べてみると、B747SPは成田からテヘランまで運行していて、その便はなんと北京経由、しかも成田から北京までの航空券が購入できるのだ。これはいいではないか!決まりだ、、、と思ったのだが、良く見てみると、B747SPで北京を経由する便は毎週木曜日の往復一便しかなかった。と、言うことは、最短でも木曜日に成田を出発して翌週の木曜日に北京から帰ってくるスジュールになる。そんな急に一週間も会社を休めるだろうか、と心配したがあっさり休みが取れた。後は手配して飛ぶだけである(母親には航空会社名を臥せて北京に行くことだけを告げたのだが、泣きそうな顔をしていた。。。)。当日、B747SPに乗れるのと”イラン航空”に乗れるので興奮しまくりだった。B747SPは左右の斜め前から見るとブサ可愛い。機内は他のB747と変わらない。乗客は明らかにイラン人と思しき人たちばかりで日本人はまばら。と言うか、乗客自体がまばらだった。私の席は非常口席だったが、隣の2席は空席だった。CAさんにとても興味があったのだが、思った通り黒いベールを頭から被っていて、東京の水道橋や新宿で見かけるイラン人と同じだった。年齢層はやや高めだが、みな綺麗で親切なCAさんばかりだった。一人、日本人の女性のCAさんが乗っていたが、とても綺麗なCAさんだった。日本人のCAさんに「頭から被っているベールは民族衣装なんですか?」と聞くと「ヒジャブ」と言い、民族衣装などと生易しいものではなくイスラム教徒にとって宗教上欠かせない衣類なのだと教えてくれた。その、ヒジャブを被った日本人のCAさんは、なんとなくアラブの女性のように見えてとても素敵だった。CAさんは女性よりも男性の方が多かったので、必然的に毛むくじゃらの男性CAのサービスを受けることが多く、ちょっと複雑な心境だった。機内食は一応、肉と魚から選ぶことができ、味は悪くなかった。機内でもアルコールはご法度なのだが、私は酒を飲まないので全然問題なかった。5時間弱のフライトは非常口席だったこともあり快適そのもの。帰りのフライトは出発が大幅に遅れたものの、非常口席を取ることができたので、行きも帰りも快適なフライトだった。

結局、北京には一週間滞在したのだが、行きと帰りの飛行機にすべての精力をつぎ込んでしまったため、北京のことはよく覚えていない。有名な”盧溝橋の秋月”も見に行ったが、それよりも屋台で売っている梨、リンゴ、甘栗、落花生、胡桃、、、などの果物や木の実が安くて美味しかった記憶が鮮明に残っているだけだ。今になって思えば、すでにその頃から北京の大気は汚染されていたのかもしれない。「秋高気爽(秋の空が高く、空気が爽やかで清々しい)」と言われた北京の美しい秋はもう見ることはできないのだろうが、B747SPに乗れたから良しとする。
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台湾のおもてなし [台湾]

東京オリンピックの誘致成功の要因の一つが、日本固有の”おもてなし”にあるとしきりに喧伝されている。”おもてなし”の心は日本にしかない、他の国には真似ができない、といったことがまことしやかに言われる。確かに外国に行っても、また知りうる限り、日本ほどきめの細かいサービスを、いつでも、何処でも、誰でも、誰にでも、安定して提供してくれる国はないと思う。海外で”ホスピタリティを感じる”とか”ホスピタリティが高い”と言われるサービスを体験しても、日本だったら物足りないと感じるくらい日本のサービスの質の良さは桁違いだ。しかし、商用ベースに乗っかった”おもてなし”とか”ホスピタリティ”と、本当の意味の「心からの思いやり」を同じものとして捉えるには違和感がある。テレビや雑誌などでで連呼される”おもてなし”とか”ホスピタリティ”という言葉には、サービスの対価としての”お金”の臭いを感じてしまう。ただ、高いサービスの対価にはお金がかかるのは当たり前だと思っている。しかし、日本だけじゃない、台湾だって凄いのだ。台湾に行っていつも思うのは、とにかくみんな親切で優しいこと。商売だから優しいに決まっていることも十分承知しているが、見返りを求めない純粋な優しさを感じる場面に多く遭遇する。台湾では普通に、そこいらを歩いている人々が親切だ。ホテルの従業員やタクシーの運転手に美味しい飯を喰えるところを聞くと、あっというまに10箇所くらいは教えてくれる。台湾と日本以外の国だったら教えてもらったところで警戒してしまうところだが、この国ではそんな心配はいらない。

空港からバスでホテルの近くまで行ったが、ホテルの場所が分からずタクシーを止めてホテルまで行こうと思った。しかし、タクシーが止まってくれない。止まってくれたタクシーに行き先の地図を見せたのだが断られてしまった。すると、若い女性と男性が近寄って来て、どこに行きたいのかを私に聞き、彼らのスマホで地図を調べ、ホテルの位置を確認してからタクシーを止め、運転手に私の行きたい場所を説明してくれた。若い女性と男性は大学生で、雨の中、自分たちのタクシーさえ捕まらないにもかかわらず。。。

夜遅い時間に小さな食堂で”魯肉飯”を頼んだのだが、もう魯肉飯が品切れだった。その店の魯肉飯は抜群に美味く、台北のその店で魯肉飯を食べるのが何よりの楽しみだった。残念だが無いものは仕方が無い。代わりに鶏肉飯とおかずを二品頼んだ。しかし、出てきた鶏肉飯には、いつもは無いメンマと漬物が乗っかっている。魯肉飯が無くなってしまったお詫びにサービスだという。しかも、しばらくすると小さいお茶碗に入った魯肉飯を出してくれた。出てきた魯肉飯はいつも食べる魯肉飯の1/3くらいしかない。店のおばさんが言うには魯肉飯用の煮込んだひき肉の残りをかき集めて、小さな魯肉飯を一杯作ってくれたのだ。支払いの時、魯肉飯の代金を加えてお金を払おうとしたのだが頑として受け取らなかった。お店は儲かってるんだろうなー。

タクシーで市内のホテルから空港まで行った時、空港に着いた途端にタクシーの運転手が運転席を降りてどこかに行ってしまった。こっちはまだ運賃を支払っていないのだ。「ありゃりゃ」と思っていると、運転手は空港ロビーの中から荷物用のカートを押してくるではないか。彼は私の荷物(たいした量ではない)をカートに積んで、しかもロビーの中まで運んでくれた。彼の気持ちが嬉しかった私は手持ちの台湾元を全部渡したのだが、いらないと言う。そういう訳にはいかないので、渡そうとするが受け取ってもらえない。こっちも意地になって、運転手の胸ポケットにお金を突っ込んで逃げるようにチェックインカウンターに並んだのだが、彼はずっと私のチェックインが終わるのをを待っていた。そして、私が出国ゲートに消えるまでずっと見送ってくれた。止めっぱなしのタクシー大丈夫だったのだろうか。

台北の小さなビジネスホテルに止まった時、ミルクティーが飲みたくなってホテルの冷蔵庫を探したが無い。ホテル1階のロビーの自動販売機を見たがタピオカミルクティーしかなかった。手に入らないと思うと余計に飲みたくなる。近くにコンビニが無いかフロントで聞くと、歩いて5分位のところにあると教えてくれた。コンビニまで買いに行こうと思ったが、物凄い雨が降っていたので急にコンビニに行くのが億劫になった。仕方が無いのでホテルのルームサービスでもいいからミルクティーが無いか聞いてみたが、小さいビジネスホテルなのでルームサービス自体がなかった。どうしようかなー、と悩んでいるとフロントにいた従業員の一人が、「ロビーの椅子に座っててください」と言うので座って10分くらい待っていると、従業員が戻って来た。彼の手にはミルクティーが、、、彼は雨の中コンビニまでミルクティーを買いに行ってくれたのだった。感謝の気持ちを込めて多めのお札でお金を旗うと、その従業員は律儀にもお釣りを持って再び現れた。私が「気持ちです」と言うと、その従業員は深々と頭を下げてお礼を言うのだった。いやいやいや、お礼を言うのはこっちの方だって。

以前も書いたが、私が適当な事を言ってバスに乗せてもらってしまったために、見ず知らずの人たちが私を永康街という場所までバスで(しかも、乗り換えあり!)送り届けてくれた。とても遠回りだったが。。。

日本の隣にも、素晴らしいおもてなしの心を持つ国があることを世界中に知ってもらいたい。
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安全な席 [飛行機]

以前、同僚と出張で飛行機に乗った時、チェックインする前に同僚に非常口席かバルクヘッドが空いていたらシートを変えてもらおうと思うが一緒でいいかと尋ねた。すると、彼は、「安全な後部のトイレの前がいい」と言う。私にとって、後部のトイレの前は最悪の席の一つだったので、「後部のトイレの前って安全なの?」と聞くと、JALの御巣鷹山の事故の時、助かった人は後部座席に座っていたらしいというのが彼が安全だと言う根拠だった。さらに、その同僚は、「ブラックボックスは後部のトイレに設置されているんだ」と言い出した。うーん、御巣鷹山の事故の詳しいことは知らないのだが座った座席が安全か安全でないかとうのはダメージを受ける部分によって異なるはず。多分、御巣鷹山の事故ではダメージを受けた部分が後部座席に有利な状況だったか、助かった乗客が特別幸運だったのだと思う。また、確かにブラックボックスは後部のトイレに設置されているが、衝撃を最も受けにくいトイレ上部の特別な場所であって、後部のトイレ周辺が安全な場所、という意味ではない。私の理解では、事故が発生した場合、どの席も同じ確率で危険なのだ。私は同僚に「そんな事を気にするより、ダイエットした方がいいぜ」と言うと、彼は、「関係ないじゃん」と一笑に付した。いやいや、それが関係があるのだ。飛行機のシートの強度は前方に16G、下方に14Gの力が加えられても壊れない強度が求められる。前方に16Gの力が加えられても壊れない強度があるということは、前方向に体重の16倍の力がかかっても壊れないという意味だ。下方に14Gの力が加えられても壊れない強度があるということも、下方向に対して同様だ。そして、この強度の基準に使われている体重が実は170ポンド(約77.11Kg)なのだ。シートに10Gの力が前方向に加わると、基準体重の人の場合、約771Kg!(77.11Kg x 10G = 771.1Kg)の衝撃を受ける計算になる。しかし、体重57Kgの私の場合、570Kg(57Kg x 10G = 570Kg)の衝撃しか受けない。この200Kgの差は大きいと思うけど、、、と説明すると納得した。結局、彼は私と一緒に非常口席に座った。ちなみに、その同僚の体重は95Kg。それから彼は、何故か飛行機に乗る前だけダイエットするようになった。。。
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穴水の牡蛎 [日本]

国内を旅するより、海外を旅行する方が圧倒的に多い。国内で旅に出るのは年1~2回程度。毎年2月の最終週か、3月の第1周に必ず石川県の穴水まで行く。『かき浜』という民宿に焼き牡蛎を食べに行くのが恒例になっている。しかし、行くのはいいのだが、これが遠い。車で行くと首都高~関越自動車道~上信越自動車道~北陸自動車道を降り、バイパスを経由し、のと里山海道の穴水ICまで、ざっと8時間。距離にして約600Kmだ。これを毎年1回日帰り、しかも昼飯に焼き牡蛎を喰いに行く。午後1時頃のかき浜到着を目指して、朝の4時に都内を出発する。羽田から能登空港まで飛行機で行くこともできるのだが、朝早い便と夕方の便しかないので、飛行機の場合は泊まりで行くことにしている。このかき浜は、民宿の前まで穴水湾の入り江が来ていて牡蛎の養殖場になっている。そこで獲れる牡蛎を焼き牡蛎として食べさせてくれるのだ。一度連れて行った女の子は、もやにけむる入り江を見て「スケールの小さなブルターニュのカンカルみたい」と言っていた。残念ながら、私はブルターニュもカンカルも知らなかった。

牡蛎が食べられるのは11月初旬頃から4月下旬頃まで。11月の牡蛎は小さいが、4月になると巨大になる。穴水の牡蛎は2月末から3月初旬の牡蛎が一番美味い。小さすぎず・大きすぎず、プッくりして、みずみずしい。かき浜が潔いのは牡蛎の時期の食事のメニューが「かきフルコース」しかないこと。かきフルコースは、焼き牡蛎、牡蛎フライ、牡蛎飯にもずく酢、たくあん、みそ汁が付いて3,800円。以前は3,500円だった。。。焼き牡蛎用の牡蛎は殻付きのまま大きなボウルに目いっぱい入って出てくる(以前は大きなバケツに入っていたのだが。。。)。その牡蛎を自分で目の前の炭火の上で焼いて勝手に喰うのだ。焼けた牡蛎をほおばると口いっぱいに潮の香りが広がり、奥深いコクと旨味が押し寄せてくる。繊細で奥深い味わいは何物にも代えがたい。また、カキフライは牡蛎を2、3個くっ付けて揚げているため、しっかりと”牡蛎を喰った感”があって満足度が高い。満足度が高いのはいいのだが、車で行く場合、ETC割引を利用した高速料金とガソリン代で往復約4万円。飛行機で行くと電車、タクシー代などを含めて往復で約3万円。一度など、車で行った時、北陸自動車道を走っていてスピード違反で捕まった。罰金は8万円!そして免停の講習が約2万円!3,800円の牡蛎を食べるために14万円をかけて行ったのを壮挙と言わずして何と言う。
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空港調整席 [飛行機]

国際線の飛行機に乗る時にインボラを期待していない、というと嘘になる。が、インボラされたら、その月は幸せな一カ月だと思うようにしている。過度な期待を抱くのはかえってストレスになる。しかし、良い席を確保する努力は別だ。頑張って、空港調整席を確保するのだ。空港調整席は、事前に予約できない座席で、非常口席、エクストラ・レッグルーム席、バルクヘッド席などがある。結果として空港調整席は他の席に比べて若干広々としていて魅力的な座席なのである。特に非常口席とエクストラ・レッグルーム席を確保するための競争はし烈。大型機でも最大で12席しかないのだから。。。ここを、旅慣れた旅行者、特に欧米人と争わなければならない。空港調整席の運用は航空会社や機材によって異なり、空港調整を有料で行う航空会社も増えてきた。良い席を確保するためには、とにかくチェックインは早めにする。そして、必ず有人のチェックインカウンターでリクエストを出す。私は、空港のチェックインカウンター以外の場所では見せたことがないような、とびっきりの笑顔で「もし、空いていたらで構わないのですが、”非常口席”か”エクストラ・レッグルーム席”が空いていたら座席を変更していただけないでしょうか」と丁寧にリクエストする。そう、笑顔と控えめで丁寧な言葉遣いが大切。「非常口席」は非常口の横の席で足を延ばすスペースがある上、CAさんとご対面できるシート。「エクストラ・レッグルーム席」は非常口ではないが前方に足を延ばすスペースがある席で、機材によって無い場合もある。「足を延ばすスペースがある席」というと何となくイヤらしいので、ちょっと気取って「エクストラ・レッグルーム席」と言っている。もし、幸運にも希望した座席が空いていた場合、チェックインカウンターのスタッフがコンピュータのディスプレイ(ANAならable-Iの端末)を見ながら「非常口席が空いています。窓側と通路側どちらがご希望ですか?」と聞いてくる。「通路側をお願いします」と笑顔で答えると、彼女(女性という前提、というか願望(笑))は、おもむろに手元にある受話器を取って「NH1076、24Cブロックお願いします」→「はい。はい。OKですか?はい。お願いしまーす(カチャ)」→「ご希望のお席は空いていますが、英語で会話がおできになりますか?」と聞いかれるので、「はい」と機械的に答える。私は、「いいえ」と答えたことがないが、必ず「はい」と答えること。相手に英語で「Is this a pen?」と聞かれて「No」と答えられれば胸を張って英語での会話ができると言って良い。「ご希望のお席に変更いたしました。搭乗口は51番、搭乗開始は16時55分の予定です。ラウンジの場所はご存知ですか」、「では、行ってらっしゃいませ」で終了である。本来、非常口席を利用するには安全規定上の条件を満たしていなければならない。非常口席を利用するための安全規定は、航空会社や国によって異なるが、だいたい次のようなものだ。①から⑥はチェックイン時にチェックインカウンターのスタッフがパスポートの記載内容、スタッフとの会話、外見の目視によって勝手に確認される。聞かれるのは⑦だけだ。ちなみに、JALが定める非常口座席に着席できる条件には⑦に該当する規定がないが、一応英語での会話が可能か聞かれる。

【非常口座席に着席できる条件(ANAの場合)】
①満15歳以上
②子供(国内線:満8歳未満、国際線:満12歳未満)を連れていない
③搭乗に際して付き添いや係員の手伝いを必要としない
④緊急脱出時に同伴者の援助をする必要がない
⑤航空機ドアの開閉等、緊急脱出の援助を実施することができる
⑥脱出手順の案内及び乗務員の指示を理解し、他の乗客へ口頭で伝えられる
⑦日本語または英語で会話できる

幸運にも非常口席かエクストラ・レッグルーム席が確保できれば、空の旅は快適になることが約束されたも同然だ。ちなみに、非常口席の窓側席は飛行機の壁面側に圧迫感があり、狭く感じるのでなるべく通路側が良い。また、リクエストしてないのに非常口席かエクストラ・レッグルーム席を割り当てられてしまったが、非常口座席に着席できる条件を満たせない場合などは申し出れば座席を代えてくれる。反対に悪い席というのも存在する。良い・悪いは人それぞれ違うものだが。。。私は、いつもWebでの予約・購入時に”悪くない席”を指定しておいて、空港で交渉することにしている。

【SeatGuru】 http://www.seatguru.com/


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車優先 [中国]

2003年、初めて中国に行った。正確には”香港とマカオ”を除く中国。場所は、上海。会社の同僚やその家族と連れだって行った。手配は同僚の女性が全部やってくれたので楽ちんだった。当時、中国は観光と言えどもビサが必要だった。その頃、中国、特に都市部は猛烈に近代化していた時期だ。上海の浦東国際空港は物凄く近代的で、リニアモーターカーはまだ営業はしていなかったが、確か試験運転をしていたと記憶している。空港からタクシーに乗ったが、物凄いスピードで上海まで走った。市街地に入ってもスピードを落とさず、人が横切ろうものならスピードを上げ、意図的に轢き殺そうとしているとしか思えない運転だった。助手席に座った私は度肝を抜かれっぱなしである。なんでも、中国では、日本の”道路交通法”にあたるものが無く、中国人の常識、宗教観、心情、および過去の慣例として車優先になっているらしかった。車に轢かれたら轢かれた方が悪いということのようであった。「だから、道路を渡る時は気をつけないとダメ」と言われた。なんという国に来てしまったのだ。それって、文明が無いってことじゃないのか?っと軽く慌てたが、タクシーは事故を起こさず無事(?)にホテルに到着した。ホテルにチェックインすると、すぐに街中に繰り出すことになり、ホテルでタクシーを捕まえてもらって街中に出かけた。今度のタクシーは、さきほどの空港からのタクシーの比ではない粗っぽい運転。人通りの多い市街地だが物凄いスピード、しかもカーブではタイヤを鳴らしながら走っている。運悪く、助手席に座ってしまった私は冷静を装ってはいたもののビビりまくりである。目的地に到着し、ようやく恐怖から解放された。タクシーを降りて歩行者になると、今度は一転して轢かれる恐怖に襲われる。なかなか、道路が渡れない。歩行者がいても車がどんどん交差点に突っ込んでくる。信号があっても気が抜けない。しかしローカルの中国人はいとも簡単に猛ダッシュで渡っている。オリンピックやアジア大会で金メダルの獲得数が圧倒的に日本より多い秘密は、このあたりにあるのだろう。そして、今度は晩飯を食べに行くので、またタクシーに乗ったのだが、今までのタクシーよりもさらにスピードを出すタクシーだった。助手席に座った私は「やめてくれー」と言ったが、日本語なので運転手には通じない。レストランに着いてタクシーを降りると、足を踏ん張っていたせいか、腿が軽く筋肉痛になっていた。そして、ふと気が付いたのだが、いつも助手席に座っているのはおいらだ。同行のみんなに「帰りは誰か助手席に乗ってね」と言うと、彼ら、彼女らは声には出さなかったが、「あっ、気が付いちゃったのね」という残念な雰囲気を体全体から醸し出していた。何だ何だ、こいつらみんな確信犯だったのか。悔しいなー。結局、上海でタクシーに乗った時は常に私が助手席に座るはめになった。一度確立してしまったヒエラルキーは簡単には変えられないのである。

その後、中国で日本の道路交通法にあたる法律が”新しく”出来て、歩行者優先が”初めて”明記されたと聞いた。
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少女時代 [韓国]

3年前にお隣の国、韓国に行った。目的は二つ。一つは、当時、大韓航空が成田から仁川に就航させたA380に乗るため。二つ目は”少女時代”みたいな可愛い女の子を見るというのが目的だった。”少女時代”みたいな可愛い女の子を見る、と言っても決していかがわしいものではなく純粋に街中で見るだけという話。成田空港で初めて目の当たりにしたA380は大きかった。正面から見る機体は確かに愛嬌がある顔をしているが、わざとらしい可愛らしさに思えた。機内に入ると確かに広い。シートはエコノミー席だったこともあり、座席は狭い(当たり前か、、、)。なんだかワクワク感がなかったが、きっと、知らない間に生まれて初めてジャンボに乗った時のワクワク感と比較していたのだろう。ソウルに着いて地下鉄の新沙駅まで行ったのはよかったが、ホテルがどこにあるかわかなかった。しかたなく、タクシーを捕まえて運転手にホテルまで行ってくれと、地図を見せると、すぐ近くだった。。。ホテルに着いて早速カロスキルへ行き、スターバックスから歩いている女の子を眺めた。一緒に行った女の子に「少女時代いないねー」と言うと「いないねー」と答えが帰ってきた。その日は近くの店でカンジャンケジャンを食べて寝た。次の日、また朝からカロスキルのカフェに行き行き交う人を眺めていたが、「少女時代いないねー」、「いないねー」という昨日と同じ会話。通りを散歩して、一本裏通りのパン屋に入ってパンを食べながら外を眺めたが、やはり「いないねー」、「いないねー」。そうだ、場所を変えよう、ということでアックジョンに移動してお昼を食べることにしたが、「いないねー」。お昼を食べて通りを歩いてみたが、いない。そして、またまたカフェに入ったが、外が眺められる席がなく、仕方が無いので店内を眺めていた。が、やはり「いないねー」。一緒に行った女の子が、通りにあるお店を見たいと言うので、私だけカフェに残った。そして、外が眺める席が空いたので、そこに移った。かれこれ3時間は外を眺めていただろうか、結局、少女時代はいなかった。ちなみに、私はカフェ、喫茶店の類があれば1日じーっとして時間を潰すことができる。特技、と言えば特技かもしれない。そして、その日の夜は焼肉を食べに行った。焼肉屋に入って注文していた時、若い女の子が3人店に入ってきた。3人とも可愛いのだが、そのうちの一人が背が高くてスタイルが良く、とても可愛いらしかった。「あっ、少女時代だ」と連れの女の子に小さい声で言うと、彼女も「ほんとだー」。いた、やっぱり‏いるんだ。しかも韓国らしく、少女時代は焼肉屋にいるのだ。しかし、席に着いた彼女たちは日本語で話し出した。なーんだ、日本人か。ここで発見したら劇的だったのに。。。食事を終えてホテルに帰ると、レセプションに女性スタッフがいたので、私は「可愛い子は、このあたりにはいないんですかねー」と聞いてみた。彼女はポカーン???としていたので、「少女時代みたいな可愛い子はどこに行けば見れるんですか」と聞き直した。彼女は笑いながらこう答えた。「可愛い子はみんな日本に行ってるんじゃないんですか(笑)」。ガーーーン。。。
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ルフトハンザ [ポルトガル]

好きな航空会社の一つルフトハンザ。個人的なイメージだがサービスクオリティの高さではシンガポール航空、全日空、日本航空、そしてルフトハンザが上位。食事の好みだと和食が美味しい全日空、日本航空、そして、サテがめちゃめちゃ美味いマレーシア航空。CAさんの制服はベトナム航空と一世代前のフィンランド航空が双璧。ベトナム航空の赤いアオザイは民族衣装系では一番素敵だ。以前のフィンランド航空のカチッとした制服はそそられた。ルフトハンザでポルトガルのリスボンからミュンヘンに飛んだ時、エコノミーからファーストクラスにインボラされて一番前の席に座った。ファーストクラスに、、、と言っても短距離路線でエコノミークラスとファーストクラスの2クラスしかないのだが。。。リスボンの空港を飛び立つとCAさんが飲み物をサービスし始めた。全体的にCAさんの動きが洗練されているように見たのは気のせい?年配のCAさんが私の隣に座っている窓側の乗客に何を飲むか聞くと、その人は白ワインを頼んだ。CAさんはボトルからグラスに白ワインを注いだのだが、何故かバランスを崩して手に持ったボトルを空中に放りだした。”ボトルが飛んでくる”と思い、ボトルを避ける態勢をとったが、CAさんは空中に放りだしたボトルをナイスキャッチ。しかし、キャッチするまでの間、白ワインが私と隣の乗客に降りかかっていた。私はそれほどではなかったが、隣の乗客はかなりの量の白ワインを浴びていた。CAさんは、すぐに紙タオルを持ってきてくれ、しきりに詫びながら私の濡れたTシャツを拭いてくれている。私はTシャツだったこともあり、”気にしないで”と言ったのだが、”気持ちは悪くないか”、”着替えはあるか”、、、と聞きながら濡れたTシャツやシートを一生懸命拭いてくれている。私の隣の人も同じだった。彼は怒った様子もなく私と目を合わせて笑っていた。そして「僕たちはついてるね」と言って、私や後ろの席の乗客や誰彼かまわず乾杯してワインを飲んでいた。とても愉快な人だった。空港に到着する前にCAさんがやって来て、私と私の隣の人にバウチャーを渡した。なんだろうと思っていると、さっきワインを掛けてしまったお詫びの埋め合わせということで、1年間有効のルフトハンザのアップグレード用のバウチャーだった。こんなことならまたワインのシャワーを浴びてもいいや。
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香港空港で寝る [香港]

空港に寝泊まりすることに少し慣れてきた頃、勝手のわかった香港の空港で寝た。深夜にマカオからフェリーで香港に戻ってきて、朝方の飛行機でシンガポールに行く予定になっていた。そもそも、深夜でもチェックインできるだろうと思って香港の空港に戻って来たのだった。チェックインして、空港内のセキュリティの良さそうな場所で寝ればいいやと安易に考えていたのだが、キャセイパシフィックのチェックインカウンターが開いておらず、途方に暮れた。しかし、周囲を見るとベンチで横になっている人が結構いることに気が付いた。みんな、物凄く明るい照明の中でグースカ寝ている。ちょっと、危ないかなーと思ったけど疲れていたので空いているベンチを探して仮眠することにした。長いベンチを丸々一つ占有して寝ている人が多く、横になれそうなベンチがなかなか見つからなかった。ちょうど、ベンチが丸々空いているのを見つけて、担いでいたデイバッグを枕にして横になった。照明の明るいのが難点だったが、さすがに深夜なので静かだった。疲れていたこともあって簡単に”落ちて”しまった。周囲がザワザワしているのに気が付いて目を開けると朝になっていた。同時に酷い寒気が襲ってきた。眠気が覚めてくると”ゴーッ”と言う音が聞こえる。音のする方向を見るとエアコンの送風口が見えた。エアコンの送風口は、寝ていた場所からは少し離れてはいたが、物凄い風量だった。寝る前には全然気が付かなかった。ヤッてしまったと思ったが後の祭り。時計を見ると4時間くらい熟睡していたようだ。そりゃ、4時間もエアコンの冷気を直接受けて寝ていたら風邪をひく。長袖の衣類を持っていたので、デイバッグからひっぱり出して着たが寒くて仕方が無い。やむを得ず、チェックインカウンターが空いていることを確認してチェックインし、シンガポールに向かった。シンガポールに行く機内で毛布を三枚借りて包まっていた。一泊数千円をケチったためにこの体たらく。日本に戻ってから、母親に面白おかしく話をしたら、「お願いだから止めてくれ」と言われた。その後、母親には黙っていることにしたのだが、母親は勘が良いので、海外から帰ってくると、「変な事してないでしょうね」と念をおす。自分の親に嘘をつくのは気がひける。
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The Guide to Sleeping in Airports [旅]

空港で寝るのも、最初のうちは当然のように緊張した。周囲が気になって長時間寝ることなどできなかった。しかし、周りを見ていると空港で寝てる人が結構いることに気がついた。寝ているのは欧米人が多いような気がする。さらに、慣れてくると空港はパブリックスペースとしては綺麗で安全な場所だと言うことがわかってきた(ただし、安全な場所かどうかは事前に出来るだけチェックするし、もし何かあっても自己責任だということはちゃんと理解しているつもり)。安全はお金に代え難いということはわかっているのだが何故かケチってしまう。特に深夜に空港に着いて、ホテルに夜中の2時、3時にチェックインして寝るだけなのに一泊分のホテル代を払うのがもったいない。寝るだけの安い宿はいくらでもあるのだが、お金を払うのが嫌だ。そのお金を払うくらいなら、美味しいものでも食べた方がいい。今日は空港で寝て、明日はラグジュアリーなホテルに泊まるのも楽しい。

【The Guide to Sleeping in Airports】 http://www.sleepinginairports.net/


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香港・マカオ3泊4日 (3) [マカオ]

(続き)
香港の2日目にフェリーでマカオに行った。マカオに行く目的はカジノだった。カジノで儲けてゴージャスな中華料理を喰おうと4人で誓い合った。しかし、全財産を持って行ってしまうと、我々頭の悪い4人は全部使ってしまうので、10万円だけ持って行くルールにした。そして、勇んでフェリーポートに向かった。と言っても、マイクロバスでガイドのホーさんに連れていってもらったのだが。。。ホーさんは相変わらず「それは何故ですか?」というフレーズを連発していた。フェリーポートに着いて、ホーさんからフェリーのチケットを渡されたが、ホーさんはマカオには行かなかった。マカオはその当時ポルトガル領だったので、イギリス領の香港から行く場合外国だった。フェリーに乗って1時間で到着してしまう外国というのはイメージができなかった。マカオに着くと待っていたツアーのマイクロバスに乗り込み、カジノがあるリスボアへホテルへ向かった。バスの中で説明があり、カジノで我々を降ろし、4時間後にまたマイクロバスが迎えにくるので、それまでカジノで遊んでいていいということだった。4人とも口を揃えて「4時間もギャンブルやって、10万円が100万円になちゃったらどうしよう」となんとも頭の悪いことを言い合っていた。カジノに足を踏み入れると中は意外と人が少なかったが、熱気でムンムンとしていた。不健康を絵に描いて額に飾ったような雰囲気だった。こういう雰囲気は嫌いではない。まずスロットマシンが目に入った。早速、日本円をコインに両替し、4人でスロットマシンをやった。しかし、私はすぐに飽きてしまった。一応、時間を決めて各自勝手に遊ぶことにした。ルーレットなどがあるホールに入って一通り見て回ったが、ホールの中にはルーレットの他にブラックジャックのテーブルがあってたくさんの人が大声を張り上げながらゲームに興じていた。なかなかの迫力である。しばらく眺めていたがチップの賭け方がよくわからなかった。さらに他のテーブルを見ると、大小(ビッグ・スモール)と書かれたテーブルがあった。この大小は、ディーラーが箱の中で3個のサイコロを振り、出た目の合計が大きいか小さいかを賭けるゲームだ。これは単純なゲームでわかりやすそうだった。このゲームは、出た目の合計が4以上10以下であれば小、11以上17以下なら大だ。そして、大小とは別にゾロ目に賭ける場所があった。チップではなく現金で掛けているのもわかりやすかった。私も早速参加してみることにした。やってみるとこれが熱くなる。最初は慎重に少ない賭け金で賭け、勝ったり負けたりしていたのだが、2個のゾロ目に賭けたのが当たりチップが増えた。そこで、調子に乗って賭け金を増やしたら、すぐに所持金の10万円を使い果たしてしまった。まだ、カジノに来て1時間もたっていないというのに。他の3人の友人が見当たらないので、どこかで勝負しているはずだった。どうしよう。。。実は、所持金10万円とは言ったものの、倍の20万円ほど持ってきていた。ここでやめるのも癪だったので、約束を破って、残りの10万円を両替して大小に再挑戦した。経過は最初とまったく同じで、勝ったり負けたりした後、少し儲かってきてので賭け金を増やし、またまた10万円を使い果たした。しまった、20万円も使ってしまった。その当時20万円と言えば、1カ月の給料の手取りくらいの額だったのではないだろうか。軽く焦ったが後の祭りである。所持金が無くなってしまったので、しかたなくカジノの中をウロウロしていたら、両替所で両替している友人と目が合った。その友人が私のところに来て「いやー、すぐにすっちゃったんで10万円ずつ両替して3回目だよ」と笑っていた。なんだ、こいつは30万円も使ってたのかと思ったらいくぶん気が楽になった。その友人が言うには、残りの二人の友人もここで追加の両替をしていたらしい。私は完全に気が楽になった。結局、開始から3時間ほどで全員が合流した。話を聞くと皆20万円から30万円の損失だった。我々は4人とも、大金をすってしまったことなどなかったかのように晴れやかな顔をしてカジノを出た。よくわからない満足感と達成感に包まれ、またひとつ大人の階段を昇ったように錯覚したのかもしれない。何故か日差しが眩しかったのを覚えている。

「誰かが言った「旅をした者は長生きした者より多くを知る」と。そう、旅は人を成長させる。」とANA CARDのCMで言ってたけど、おいらは旅をして成長したのだろうか。多分していない。。。
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香港・マカオ3泊4日 (2) [香港]

(続き)
1000円のコーラを飲み干した私は、一路香港に向かった。同行の友人が、香港に着くのは夜だから飛行機から夜景が見れると言う。香港の夜景が100万ドルの夜景と呼ばれていることは、さすがの私も知っていた。「おまえはいいよな、窓側の席で」と羨ましそうに言って来る。そう、私の席は窓側だった。さらに友人が言うところによると、香港の空港に着陸する時、飛行機が”香港カーブ”という軌道を描いて着陸するらしかった。何だかわからないが、とにかく凄いらしい。何だ何だ、その”香港カーブ”というのは、と聞いても友人も良く分からない。おい、コラっ。自分がわかりもしないことを人に教えるんじゃない、と飛行機の中で喧嘩になった。結局、私と友人達4人とも”香港カーブ”というものがわからなかった。とにかく理由はわからないが、飛行機が壊れるくらいの物凄い急カーブを描いて着陸するのだという結論に達した。そして、それが有名だとい言うことは、きっと50%くらいの確率で飛行機がバラバラになったり、着陸に失敗しているに違いない。大惨事の様相を呈している香港啓徳空港からテレビ中継が入り、「乗客、乗員合わせて198名全員の死亡が確認されました」とか放送され、それを見たおふくろは泣き崩れるに違いない。先立つ親不孝をお許しください。マズい、それはマズい。何でそんな危険な海外旅行に連れて来たんだ、と同行の友人とまた喧嘩になった。私は窓側席の特権を生かして着陸する前から窓ガラスに貼りついていた。100万ドルの夜景と香港カーブの両方を堪能し、もしも飛行機に危険な兆候を見つけたら素早くイチかバチかで飛行機から飛び降りて助かろうと、一石三鳥を目論んだ。しばらくして機内アナウンスがあり、着陸態勢に入ることがわかった。ベルト着用サインが点灯し、シートベルトを着用し、目を皿のようにして外を見た。しかし、外は真っ暗で何も見えない上、飛行場がどこにあるか識別できない。ましてや、機体がカーブしているかどうかなどまったくわからない。明かりが見えた時には、すでに滑走路に接地する直前だった。そして、機体が壊れることも、着陸に失敗することもなく、無事、香港啓徳空港に着陸した。結局、香港カーブというのはまったくわからなかったが、わずかに山肌のようなところと着陸直前に明かりが見えたような気がした。あれが100万ドルの夜景だったのだろうか。私には10ドルくらいにしか見えなかったが。。。一応、100万ドルの夜景は見たことにしておこう。空港のロビーにはガイドが迎えに来ていた。我々と同じ歳のホーさん(漢字は忘れた)という女性のガイドだった。ホーさんは迎えのバスに我々を乗せてホテルに向かった。ホーさんは日本語の他に英語、北京語、広東語、上海語、そしてポルトガル語、スペイン語、イタリア語の8つの言語が話せた。北京語、広東語、上海語は”中国語”で括っていいと思うけど。。。いずれにしても凄いマルチリンガル。ホーさんが「夜景見ましたか?」と聞くので、「山肌と着陸前に少し見えた」と言うと、「あー、山肌は貧民窟の焚き火、着陸前は看板です。それは100万ドルの夜景じゃないです」と言って笑っている。看板はいいとしても、貧民窟の焚き火かよ。やっぱり10ドルの夜景だったのか。ホテルに向かう途中、ホーさんはずっと、ここには何がある、あそこには何があると説明してくれる。ホーさんの日本語は上手で問題なく理解できるのだが、なんだかおかしい。最初は何が変なのかはっきりしなかったのだが、すぐにわかった。ホーさんの説明は、例えば「あそこは、とても危ない場所です。それは、何故ですか?あそこは九龍城だからです」というように、自分で質問して、自分で勝手に答えるスタイルだった。世界・ふしぎ発見!のミステリーハンター竹内海南江だったら「あのあたりはー、とーっても危ない場所なんです。あのあたりはー、何故危ないのでしょうか?それではここでクエスチョンです」・・・「それはー、九龍城だからなんです」となるはずだった。きっと、ホーさんが日本語を覚えた時、そういう基本形で覚えてしまい、ずっとそのまま使っているのだろう。それはわかる。例えば私も機内食がどんな食べ物か聞く時、「What food is it?」と聞けばいいのに「What kind of food is it?」と余計な「kind of」を入れてしまう。中学性の時の英語のテキストに「What kind of food is it?」と書いてあったのをそのまま覚えてしまったので、「kind of」を抜かすととっさに文が出てこないのだ。しかし、とは言っても箸が転んでも可笑しい年頃の私は、ホーさんの日本語が気になって仕方が無い。「私は日本語が話せます。それは何故ですか。日本語を勉強したからです」、「香港にはフィリピンの人がたくさんいます。それは何故ですか?香港でメイドとして働いているからです」、「この店はお客さんがいっぱいいます。それな何故ですか?安くて美味しいからです」、、、すべてこの調子。友人たちも、同じことに気が付いていてバスの中は爆笑だった。みんな、ホーさんの言い回しが気にいって香港にいる間ずっと使っていた。日本に帰ってからも使っていた。そして、みんないまだに使っている。(続く)
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香港・マカオ3泊4日 (1) [台湾]

もう、ずいぶん昔のことになるが、生まれて2度目の海外旅行は香港とマカオだった。前年、友人達と初海外旅行の王道ハワイに行ったのだが、時差、6時間を超える飛行時間、食生活のギャップにやられ、「もう、海外旅行は嫌だ」と音を上げたら、友人が、「じゃー、これはどうだ」と持ってきたツアーのパンフレットには”ホンコン”と書いてあった。香港という名前は知っていたが、どこにあるのか知らなかった。当時、香港はまだイギリスの植民地で、友人が言うには、時差は1時間しかない上、ハワイよりも近いらしかった。しかも、物価が日本に比べて安く、食事は中華料理だから美味いと言う。特に北京ダックと上海蟹というものがあって美味いらしかった。その当時、今のようにインターネットなど無い時代で友人が持っていたガイドブックが頼りだった。ガイドブックのページを開くと国自体が美味しそうに見えた。前回一緒にハワイに行った友人二人にも話をして、秋に行くことに決まった。香港までの飛行機は直行便ではなく、台湾でトランジットがあった。おおっ、香港とマカオだけではなく、台湾にも行けるのかと思って、えらく興奮した。しかし、”トランジット”という言葉の意味がわからない。香港で乗り換えとは飛行機が代わるのか?乗りっぱなしじゃダメなのか?台湾で一回降りて台湾料理を食べる余裕はあるのか?と友人に聞いてもよくわからない。しかし、どうせみんなで一緒に行動するのだからいいや、と理解することを諦めた。旅行当日、成田空港から出発し台湾に着いた。当時、台湾桃園国際空港は蒋介石国際空港と言っていた。蒋介石という名前は世界史の授業で聞いたことがあったが、台湾に関係する人だということをすっかり忘れていた。航空会社は覚えていないが成田発で台湾経由だったことを考えるとキャセイパシフィックだったのだろう。空港での乗り継ぎのために、同じ飛行機の乗客と一緒にゾロゾロと次の乗り継ぎゲートに向かって歩いた。歩きながら見るものがすべて珍しいので、友人の一人と「何だこれ」を連発してはしゃいでいた。その時、一緒にはしゃいでいた友人が「自動販売機にコカコーラがある」と言って自動販売機に駆け寄った。私も一緒に自動販売機のところに行ったが、自動販売機自体は日本のものと変わらない。違うのは缶のラベルが漢字なのと通貨、通貨は元だった。当然、元などは持っていない。自動販売機に駆け寄った友人は好奇心の強い男で、自分の財布から日本の10円玉を出して自動販売機に入れてみたが戻ってきてしまう。そして、50円玉、100円玉と入れてみたが、やはり戻ってくる。最後に500円玉を入れると戻ってこない。やった!と思ってコーラのボタンを押したがコーラは出てこない。友人が「500円玉持ってないか?」と聞くので自分の財布を見ると500円玉があった。私が500円玉を入れると、コーラのボタンが点灯した。ボタンを押すと自動販売機からコーラが出てきた。友人と二人大喜びで「やったな。俺達やれば出来るんだよ」などと互いに称賛しあった。そして、体全体からやり遂げた感を出しながら、コーラを手に別の二人の友人のところに行って、「台湾の自動販売機に500円玉2枚入れてコーラを出したぞ!」と得意げに自慢した。すると友人は、「えっ、500円玉2枚って1000円だろ。缶コーラ1個だぜ。バカじゃねーの」と言って、あっさり切り捨てられた。ううっ、そう言えば1000円も使ったんだ。興奮して気が付かなかった。私は子供の頃から一つのことを考えると、他のことに想いが及ばなくなる癖がある。一緒にコーラを出した友人もそうだった。友人にそう言われて急に冷めてしまい、乗り継ぎの飛行機に乗って香港に向かった。あれからずいぶんと年月を経たたが、今もその性格は変わらない。その性格は大好きだ。(続く)
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つばさよつばさ [旅]

葉加瀬太郎のAnother Skyを聞くと旅に出たくなるのと同じように、浅田次郎の本を読むと旅に出たくなる。浅田次郎の本であれば旅に関するものでなくてもいい。理由は葉加瀬太郎のAnother Skyと同じようなもので、JAL機内誌「SKYWARD」にずっと連載されている「つばさよつばさ」を思い出すから。浅田次郎の軽妙な語り口で書かれた旅行エッセイは秀逸だ。軽いタッチで始まり、ちょっと感動的に締める作風が寅さん的志向の私の心を掴んで離さない。「つばさよつばさ」で一番好きだったのが、”個人的な「世界の三大夜景」”の話。浅田次郎は夜景マニアだそうで、彼の個人的な「世界の三大夜景」を紹介している。別格例外は函館の夜景。世界の三大夜景の最初はクリスマスシーズンのパリのイルミネーション。次が真夜中のストラトスフィア・タワーから見おろすラスベガスの夜景。そして、最後にブルックリンから眺めるロアー・マンハッタンは夜景の傑作だと言っている。短い文章に込められた、きらめくような夜景の情景描写がとても好きだ。私はパリには行ったことがないのでクリスマスシーズンのイルミネーションのことは知らないけれど全部激しく同意。
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Another Sky [旅]

葉加瀬太郎のAnother Skyを聞くと旅に出たくなる。もともとがとても良い曲なのだが、ANAの機内BGMとして10年以上使われている曲だ。そして、最近はあまり聞いていないが、J-WAVEで毎週土曜日の夜に放送しているANA WORLD AIR CURRENTのエンディング曲なのだ。ANAの機材で運行している路線では搭乗時と降機時に流れている。ANAの国際線の長距離路線に乗って目的地に着き、この曲が流れてくると飛行機から降りたくなくなる。もうちょっと乗ってたいなー、、、と思い、胸が締めつけられてウルウルしてしまう。知人に話したら、「何を子供のようなことを」と言って呆れられた。違う違う、歳をとればとるほど我がままになって、そして涙腺が弱くなるのだ。


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クネーデル [ドイツ]

ドイツの食事は不味いと聞いていたのでドイツに行った最初の頃はあまりワクワクしなかった。なので、ドイツは私にとって、”ヨーロッパに行く時のゲートウェイ”的な意味合いが強かった。旅に美味しいご飯は欠かせないのである。しかし、そうは言ってもハンバーグの本場である、、、はずだったが、ドイツに住んでいた友達が、「そんなのこっちには無いよ」と教えてくれたのでがっかりした。モチベーションを下げる余計な情報だった。しかし、実際に行ってみて食事は非常に美味しいと感じた。友人はイギリスの次に不味いと言っていたが、私は何を食べても美味しいと思った。いきおい、ビアホールなどで食べることが多いのだが肉料理は美味い。子供の頃は貧しかったので赤いウインナーくらいしか食べたことが無く、ソーセージはそれほど好きではなかったが、ソーセージが美味いのには驚いた。特に白いソーセージのバイスブルストなどは日本で食べたことがなかったので最初は驚いたが、いまだにハマっている。牛肉などはとても美味しく、シュニッツェルはなどは子供の頃おふくろがいろいろ試した”創作カツレツ”そのもの。野菜も美味い。パンやお菓子も口に合う。全体的に味が濃いのでビールにあう。そもそも、ビールを頼むと勝手に出てくる固いブレッツェルと洗っただけの赤カブ?がやたら美味い。とにかく、ドイツの食べ物は嬉しい誤算が多い。ただ、どんな国でも口に合うものがあれば、合わないものもあるのが常である。ドイツの伝統的な食べ物の”クネーデル”という付け合わせが口に合わない。ジャガイモと小麦粉を混ぜ、団子にして茹でたものだ。大きさは野球のボールを一回りか二回り小さくした感じ。私はドイツで食べるまでまったく知らなかった。肉料理の付け合わせでよく出てくるのだ。初めて見た時、茹でたジャガイモの皮を剥いたものかと思ったが、食感がプニュプニュしている。モチモチではなくプニュプニュしたかわいい食感だ。すいとんと言われればすいとん、ニョッキと言われればニョッキのような味と食感。ただ、なんと言うか、少しスカスカ感がある不思議な食感だ。味はほんのりと甘い。単独でそれだけ食べても美味しくない。ソースに付けて食べてもなんだかピンと来ない味なのだ。余計な事をせずに、茹でたジャガイモを出してくれればいいのに、、、と思った。一度など、晩飯に肉料理を3皿頼んだら、全部付け合わせに大きなクネーデルが3個づつ付いてきて食べきれずに困った。別においらクネーデル好きじゃないし。。。ドイツの食事は不味いと友達が言っていたのは、きっと食事よりもビールとおつまみがの方が美味いという意味だったのかなー。
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インボラ [旅]

インボラとは、インボランタリーアップグレード(Involuntary Upgrade)を省略した和製英語で、インブップと言うこともある。日本語で「意図しないアップグレード」のこと。搭乗手続き時にオーバーブッキング等の航空会社都合により、座席が上位のクラスに変更されることをインボラと言う。例えば、座席がエコノミークラスからビジネスクラス、またはビジネスクラスからファーストクラスに勝手にアップグレードされてしまうこと。インボラは、ほとんどの場合、航空会社のオーバーブッキングの解消を目的として行われる。そもそも、オーバーブッキング自体は、どの航空会社でもやっている。航空会社は各社独自の需要予測をもとにオーバーブッキングを行なうのだ。飛行機1機を飛ばすための経費は乗客が多かろうが、少なかろうがほとんど同じ。乗客が多いと重量が増える分、若干燃費が悪くなるが、運賃収入を得る方が航空会社の利益が大きいため、航空会社はなるべく空席を作らずに飛行機を飛ばしたい。そこで、実際には購入されない航空券の分を見込んで、シートの数より多く航空券を販売するのだ。とは言っても、オーバーブッキングが多発すると、オーバーブッキング解消にかかる経費や航空会社の評価などのデメリットが大きくなってしまうことになる。なので、この辺の匙加減が非常に難しく、需要予測は航空会社各社の腕の見せ所になっている(個人的な見解だが、オーバーブッキングの頻度が高いのはアジア圏ではフィリピン航空がダントツ)。ただ、オーバーブッキングはそれほど頻繁に起こるものではない。そもそも、国際線に限って言えばエコノミークラスの席が満席になることはそれほどない。国際線の1ヶ月間の平均搭乗率が85%を超えることは、まずあり得ない。単純計算で200席ある機材の搭乗率が80%だと、160席が埋まって40席が空席という計算になる。まー、40席の空席は全部ビジネスクラスだった、、、なんてことはよくある話だが。。。また、オーバーブッキングが発生しやすい時期は、日本人に関係する海外旅行のシーズンで言うとゴールデンウィーク、夏休みや正月休み時期くらい。最近では近距離路線の三連休前日の往路と三連休最終日の復路がオーバーブッキングになることがある。また、欧米の夏休み、クリスマス休暇、そして中国の旧正月などのシーズンも路線によってはオーバーブッキングしやすい。その結果インボラの可能性が高くなる。しかし、オーバーブッキングが発生しても、アップグレード先のシートに空きがなければインボラは行われない。アップグレード先のシートに空きがないほいど酷いオーバーブッキングが発生した場合、乗客の中からボランティアを募って別便(次の便、翌日の便、または他社便など)に振り替えを行なうことがある。さらに、航空会社は”空港調整席”という事前に予約することができない座席を持っていて、非常口、バルクヘッド、そしてベビーベッドがある席などを実際のフライトの状況に応じてチェックイン時に調整できるようにしているため、最後の最後でエコノミー席のオーバーブッキングを回避できる。

いざインボラが必要になると、ある優先度に基づいてアップグレードする搭乗者を決定する。メンバーシップがない乗客より、航空会社のメンバーシップがある乗客の方がアップグレードされる優先順位が高い。さらに、メンバーのステータスが高いほど優先度が高く、上級会員になっている期間が長いほど優先順位が高いと言われている。また、経験上、団体やグループで同時にチェックインし、隣り合った席をリクエストするよりも、単独でチェックインして、予約した席を変えて欲しいと言う方がインボラされる率が高いような気がする。これは、隣り合った席などのリクエストが無ければ席を変えても影響が少ない分、アップグレードして別の席に移動しても問題ないと考えるのではないかと思う。あと、早めにチェックイン(Webチェックインを含む)する方がインボラされる確率が高くなるとも言われている。私はWebチェックインはしないが、通常は3~4時間前、最低でも2時間前には空港カウンターでチェックインをするようにしている。さらには、着ているものがフォーマルな方がいいとか都市伝説みたいなこともまことしやかに言われている。私はいつもTシャツにジーパンで飛行機に乗るが、インボラされる確率は高い方だと思うので、あまり関係がないのかなー。

まとめると、こーんな感じ。
【インボラが発生する条件】
 ・元のシートクラスの座席がオーバーブッキング等で不足していること
 ・アップグレード先のシートクラスに空席があること
【オーバーブッキングが発生しやすい時期】
 ・ゴールデンウィーク、夏休みや正月休み
 ・近距離路線の三連休前日の往路と三連休最終日の復路
 ・欧米の夏休み、クリスマス休暇、中国の旧正月
【インボラの優先度】
 ・上級会員のステータスが高いほど優先度が高い
 ・上級会員になっている期間が長いほど優先順位が高い

私はチェックインの時にインボラを期待していないと言えば嘘になるが、インボラされれば儲けものとしか考えていない。逆にインボラされて上のクラスに搭乗すると、正規の運賃で搭乗している人にとても悪い気がしてしまう。どうも、日本人気質というか人間の器が小さいようだ。トホホ。
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バロット [フィリピン]

フィリピンに”バロット”という、ある意味で有名な食べ物がある。孵化前のアヒルの卵を茹でた”ゆで卵”。ベトナムではビットロンと言って普通に売っている。カンボジアでもポピュラーな食べ物だし、タイ、そして横浜の中華街でも食べたことがある。初めて見た時は殻の中にヒナが出来上がっちゃっていてビビった。なんてったって、うっすら鳥の形状がわかる”ゆで卵”は恐ろしかった。だいたい、日本でバロットを食べるよと言うと不潔なものを見るような眼で見られる。フィリピンのバロットは道端の露天で売られている。お金を払うと粗塩と一緒に新聞紙に包んでくれる。値段は日本円で1個20円くらい。喰い物ごときにギャーギャー言うのもみっともないので、エイッと喰ってみたら美味しかった。食べ方は、まず殻の先っちょに穴を明けて中のスープをすする。このスープは美味しいチキンスープ。そして、普通に殻をむいて”アヒル本体”に粗塩を振りかけて食べるのだ。アヒル本体は普通の”ゆで卵”の黄身の味。考えてみれば当たり前の味だった。ただ、白身の部分はとても硬いので私は食べない。美味しいか不味いか二者択一で問われれば「美味い」と答える。ただ、以前、このバロットを買った時に友人に騙された。フィリピン人の友人に「バロット喰えるよ」と言うと、ちょっとビックリした顔をしていた。私は内心「どーだ。まいったかー」と得意げだった。すると、友人が「それじゃー、僕が1個おごってあげるよ」と道端でバロット売りのおばちゃんからバロットを2個買った。買う時にほんの少しだけ時間をかけて選び、おばちゃんに何かを聞いてから買っていた。友人は「美味しいのを選んだよ」と言って1個を私にくれた。友人はその場で食べ始めたので、私もいつものように殻に穴を開けてスープをすすった。スープを飲みほした後、殻を割ってビックリ。。。黒い羽の生えたアヒル本体が出てきた。ほぼ、孵化寸前の状態。しっかりしたアヒル本体のバロットは初めて見た。困っている私を見て、友人とバロット売りのおばちゃんは大笑いしていた。途方に暮れて友人に助けを求めると、「ごめん」と言って笑いながら、私が持っていたバロットを引き取って説明してくれた。どうやら、バロットは好みによって孵化の度合いを選べるらしかった。卵を外側から見て青っぽいのは孵化が進んだもの、黄色っぽいのは孵化が進んでいない状態のバロットだと説明してくれた。そして、私の友人は青っぽい孵化が進んだバロットを選んで私にくれたのだと言う。確かに私もよく外国人に寿司のワサビや、おでんの和がらしを大量に食べさせて、日本の文化、和食の真髄を最初にガツンと思い知らせてやるが、反対にやられてしまった。後で聞いたのだが、フィリピン人の友人も孵化の進んだバロットはあまり好きじゃないんだと言っていた。今更そんなことカミングアウトされてもなー。あと、彼は、日本人が食べる卵かけご飯は信じられない、生卵を食べるのは危険だし、そもそもあんなものは食べ物ではないとも言っていた。今度、絶対に卵かけご飯を喰わせてやる。
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合コンでCAさんから教わったこと [旅]

ずいぶん昔のことだが、CAと合コンしたことがある。今思えば懐かしい。その合コンはドレスコードがあった。場所も西麻布などという普段行かないような小洒落た場所だった。しかし、いたって普通の合コンだった。CAとは言え、ただのOLなのだ。ずいぶん昔の話なので、何を話したかはほとんど覚えていないが、当時から興味のあった話だけはちゃんと覚えている。そして、今でも飛行機の上で実践していることが二つある。それは、合コンでCAに「お客として、どんな人が素敵だと思う」か聞いた時の答えだ。言い換えると「飛行機の上で、どうすればCAに気にいられるか」ということを廻りくどく聞いてみた。詳細はそれぞれ異なるが、二つの答えに集約された。ひとつは、「態度もそうだが、言葉としてお礼が言える人」だった。例えば、お客に飲み物を頼まれて持って行くと、欧米人は必ず「Thank you」と言うが、日本人は黙って受け取る。CAが狭い通路で機内食をサービスしている時、日本人は黙って無理やりCAの後ろを通りぬけようとするが、欧米人はその状況ではそもそも動かない。やむを得ずそんな状況になれば「Excuse me」と一言声をかけてくるという。この、”欧米人”とは人種としての欧米人と言う意味ではなく、”欧米人のような環境や教育、宗教の下で育った人”というような後天的な意味になるのだろう。CAも人間だから自分が提供したサービスに対して評価をされるのは素直に嬉しいということだった。てっきり「ファーストクラスに乗っている人」とか、「機内でプレゼントをくれる人」とか単純な答えなのかと思っていたら、優等生的な答えが返ってきた。答えが本音だったかどうかはわからないが、それをやったところで私が何か損をする訳ではないので、飛行機に乗った時はいつも実践している。効果の程はまったく不明であるが。。。ちなみに、実践していることの二つ目は、、、ナイショ(w
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チュロス [スペイン]

先日、マクドナルドでチュロスを喰った。スペインのマドリッドで喰って以来だから、本当に久しぶりだ。初めてマドリッドに行った時、一応、チュロはスペイン発祥ということだったので甘党の私としては行ってみたわけだ。「地球の歩き方」に書いてあったマドリッドの有名店に行った。地下鉄のソル駅の近くで、プエルタ・デ・ソルの近くだった。店は予想に反して重厚な作りだった。奥にカフェがあったので、レジのところでチュロとチョコラテを頼んでカフェの席に着いた。チョコラテについても「地球の歩き方」で触れられていた。チュロが来るまで周囲を見回すと韓国人が多い。多い、というか韓国人のカップルしかいない。しかも、ハングルの地球の歩き方のような本を持っている。入ってくる客も韓国人のカップルだけだった。この店は私たち以外、日本人はおろかスペイン人がまったくいない。そのうち、チュロがやって来た。チュロが5本お皿に載っていた。そして、カップにたっぷり入ったチョコラテ。とは言え、セットで約4ユーロは高いような気もするが。。。早速、チュロをそのまま喰ってみたが、ほんのり甘くてそのままでも十分美味い。チュロはチョコラテに浸して喰うのが正式と聞いていたので、しきたりに従って喰ってみたがこれも美味い。ちなみに、チョコラテ単独で飲んでみたがこれは甘くてクド過ぎていけない。こんな感じで一生懸命チュロと格闘していたら、いつの間にか周囲が韓国人でいっぱいになっていた。ここは、韓国人に有名な店だったのだろうか。。。店を出て、ブラブラ歩きながら周囲を良く見る”Churreria”、”Chocolateria”と書かれたスタンドがたくさんあることに気が付いた。ちょっと、覗いてみるとお客さんはチュロとチョコラテを買って2ユーロ払ってお釣りをもらっていた。さっきの店の半分以下だった。やっぱりそうだよね。マドリッドの安い物価を考えると、カフェで4ユーロは高すぎるな~とは思ってたんだよな。バールでハモン・セラーノをお皿いっぱいにに切ってもらっても1ユーロ、ハモン・イベリコだって量は少ないが1ユーロで食べられる。結局、マドリッドでチュロを食べたのその一回だけ。その後は食の軸足をハモン・セラーノ、ハモン・イベリコに移して肉食化したため、日本に帰ると、うんちが臭かった。。。
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クーパーズタウン [アメリカ]

ニューヨークから250kmほど北にクーパーズタウンという小さな街がある。その、たった5ブロックしかない小さな街にはNational Baseball Hall of Fame and Museumがある。アメリカの野球の殿堂だ。なんでも、アメリカ野球発祥の地を調査したらクーパーズタウンだったということらしい。昔から行きたかった場所だった。ニューヨークに行った時に行ってみた。まだ、日本人メジャーリーガーが野茂だけだった年の2月、雪の降るマンハッタンのポートオーソリティ・バスターミナルから朝6時のバスに乗った。ハドソン川を超え、最初にWoodstockというところに止まった。おっ、ここってウッドストック・フェスティバルをやったところか?と思ったが確認する術がなかったので現在まで不明なままである。雪はかなり降っているがハイウェイに入ってから快調に飛ばす。快調なのはいいが、この雪の中、少しスピードを出し過ぎな気がする。すると、急ブレーキが踏まれバスが軽くスリップしながらバスが止まった。こんなところにバス停があるのかー、と思っているとスキーの板を持った家族連れが乗り込んできた。えっ、このバスってスキー場に行くのかという軽い驚愕とスキー板を車内に持ち込むなよなーという軽い憤りが交錯した。しかし、その後のバス停からスキー板を持って乗り込んでくる人が多くなってきたので普通のことなんだと理解した。途中、山道に入り、スキー場で止まり、スキーの板を持った人々は降りて行った。なんだ、おいらはどこに行くんだ?と少し不安になってきた。。。しばらく走ると、いくつかのバス停で人が降りてしまい、乗っているのは私だけ。後ろの方に座っていたのだが、バスの運転手が「前の方に来いよ」と言うので、運転手の後ろの席に座った。まったく気にしていなかったのが運転手はボブサップみたいな巨体の黒人だった。どこから来たのかとか、どこに行くのかなどと話かけてくれるのは嬉しいが、雪が相当強く降ってきたのに相変わらず物凄いスピードで走っていたのでヒヤヒヤものだった。しばらく走っていると、また軽くスリップしながら急停車した。運転手は私に物凄い勢いで捲し立てながらバスを降り、巨体をユサユサと揺すりながら走って道路を渡って行った。運転手が飛び込んだ先はバーガーキングだった。少しして店から出てきた運転手は店に入る時と同じように巨体を揺すりながら走ってバスに戻ってきた。バスに戻ってきた運転手は両手に4つの紙袋を持ち、顔には満面の笑みを湛えている。運転手は「喰え」と私に紙袋を差し出した。たしかに小腹が減っているのでお金を払おうとしたが、おごってやると言うのでお言葉に甘えた。走行中にバーキンに飛び込んでいいんかという軽い憤りは、ワッパーチーズの美味さで相殺された。そして、運転手が着いたぞと言うので外を見ると一応バスの折り返し場のようになったところに止まった。ネットで事前に調べた時は”道端に止まる”と書いてあったがアップグレードしたんだろう。運転手に手を降ってバスを見送った後、周囲を見回すと高い雪の壁で何も見えない。ようやく、積雪の凄さに気が付いた。しかし、人が歩くところは雪かきされて通路になっているので、通路に沿って歩いてみた。まるで、迷路に切られた道のようだ。今日のホテルを目指すが、どこにあるのかまったく見えない。雪もかなり降って来て、あわや遭難か、、、と思いきや、1~2分適当に歩いたところに白い三階建ての木造建物が見えた。そして、その庭先に「The Inn at Cooperstown」と書いた看板があった。なんだ、あっさり今日の宿に着いてしまった。しかし、地球の歩き方を見た時は意外と行き方が面倒臭そうな感じがしたが、全般的にあっさり到着してしまた。クーパーズタウンに快適に二泊し、何のハプニングもなくマンハッタンに戻った。ちょっと拍子抜けした。

人が旅をするのは到着するためではなく、旅をするためである
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どこに行きたいのですか? [台湾]

台湾は良い国だ。ご飯は美味しいし、人々は優しくて親切。街中で立ち止まって日本語のガイドブックを開こうものなら、「どこに行きたいのですか?」と素敵な笑顔と一生懸命の日本語で声をかけてくれる。一度、バスの停留所で複雑怪奇な台北のバス路線図を覗き込んでいたら、お婆さんに台湾語で、「どこに行きたいの?」(恐らく)と聞かれた。おいらはとっさに「ヨンカンチェ(永康街)」と唯一台湾語で発音できる地名を言ってしまった。すると、そのお婆さんはバス路線図とにらめっこして、台湾語で「こりゃー、乗り換えないと行けないねー。よし、私に任しときな!」(多分)と言って、停留所に向かってくるバスを止め、運転手さんに「この子が永康街に行きたいと言っているので、乗り換える停留所で降ろしてやってくれ」(きっと)と台湾語で頼んだ。別にバスに乗りたい訳でも、永康街に行きたい訳でもないのに。。。バスの運転手さんは私を手招きして乗せてくれた。バスは走り出してしまい、私はお婆さんに手を振った。相変わらず自分の置かれている状況が良く分からないままだった。そもそも、バスの料金がいくらかわからず、持っていた硬貨を全部出して困っていたら、一番前の席に座っていたおじさんが必要な分だけ選んでくれて支払いは完了。そして、つり革に捕まって、「おいらはいったいどこに行くんだろう」とバスの中に貼ってある路線図を見ていると、隣にいた女性が綺麗な日本語で「どこに行きたいのですか?」と聞いてくれたので、「永康街に行きたいんですが」と言うと、「どこかで、乗り換えないと行けませんね」と親身に路線図を見てくれている。すると、またまた、流暢な日本語で「どこに行きたいんですか?」と言う声がするので、後ろを振り返ると、おじいさんが私に満面の笑顔を向けている。「永康街に行きたいのです」と私が言うと、おじいさんは「私が降りるところで永康街行きのバスに乗り換えができます。私が乗り換えるバスに乗せてあげます」と頼もしい事を言ってくれた。しばらくして、私はおじいさんと一緒にバスを降りて、後に付いて近くの停留所まで歩いた。バスが来るまで話していたが、おじいさんは戦前の小学校では日本語の授業があったので日本語を勉強したらしい。戦後は日本の会社で働いていたこともあるそうで、とても日本語が上手だった。私が乗り換えるバスが来て、おじいさんはバスを止めた。私を乗せた後、台湾語で運転手さんに「この人を永康街で降ろしてほしい」(かなりの確率で)と頼んでくれている。バスの運転手さんは台湾語で「任せておきなさい」(確信はないが)と言っている。おじいさん、ありがとうと私はおじいさんに手を振ってから頭を下げた。私が座席に座ると後ろの方に座っていた中年の女性から「どこに行きたいのですか?」と英語で聞かれて、「永康街」と答えると、停留所に着いたら教えてあげるから大丈夫だと言ってくれた。私は涙が出そうになっていた。だって、そうだろう。見ず知らずの観光客がいい加減な事を言ったにもかかわらず、周囲の人が私を目的地に送り届けようと一生懸命になってくれているのだ。なんでみんなこんな優しいんだろう。そして、中年の女性が押したブザーの音で我に返った。中年の女性が、永康街は次だよと教えてくれた。私は大きな声で、中年の女性と運転手さんにお礼を言ってバスを降りた。ついに到着した。ちょっと時間はかかったが、ようやく永康街に着いた。遠回りがこんんなに楽しかったことはない。ところで、おいらは永康街に何をしに来たんだっけ?まー、いっか。行くつもりはなかったけど鼎泰豐で小籠包でも食べよう。今日もいい天気だー。
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スキポール空港で寝る [オランダ]

オランダのアムステルダムにあるスキポール空港。とても素敵な空港。新しくはないがとても綺麗で手入れが行き届いたな空港である。空港の地下がスキポール駅になっている。この駅は幹線の駅なので、オランダ各地に行くのに便利だ。へたすりゃ、EUの他国に行く特急列車すら止まる。駅が直結の空港はたくさんあるが、主要幹線駅というのは珍しい。成田空港とはわけが違う。空港としての使い勝手もとてもいい。空港内の施設がターミナル内ですべて一体化しているため、出発も到着も同じ旅客動線を歩いて行けるように設計されている。今でこそ、こういった設計の空港は珍しくないが、スキポール空港が参考になっていることは間違いない。しかも、この空港は寝るのにはもってこいの空港なのである。私が寝たのは夏と冬。夏はエアコンが効きすぎて寒かったが、冬は暖房が適度に効いてとても快適だった。そして、ここは中国ではなく洗練されたヨーロッパなのでとても静かだ。ベンチ、床ともに寝やすい。ごろごろ寝ていても、誰にもとやかく言われない。とても寛容な空港なのだ。しかも、とても安全だ。私はこの空港で二回、8時間の乗り継ぎ待ちをしたことがあるが、二回とも熟睡した。熟睡して目が覚めると、いい臭いがする。いい臭いのする方へ歩いていくとチーズを売っているお店があった。お店の人に、味見してもいいかと聞いくと紙のお皿の上にたくさんチーズを盛ってくれた。お店の人よ、チーズは買わないけどごめんね、といいながらチーズを盛ったお皿片手にウロウロしていると、ジュースを絞っているジューススタンドがあった。そこで、オレンジとニンジンのジュースを買って朝食の調達は完了。お腹いっぱいである。そして、とどめは空港ターミナル内にあるホテルでシャワーブースを借りてシャワーを浴びてさっぱりだ。このように空港全体がホテルのように快適な空港だ。聞いた話によるとカジノもあるらしい。何でも揃っている空港なのだー。飾り窓は、、、さすがにない。
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インボラ [フィリピン]

マニラから日本に帰る日になって、ようやく風邪が良くなってきた。いつもは、かなり余裕をもって空港に到着する私も、マニラのニノイ・アキノ国際空港には飛行機出発2時間前ギリギリにチェックインする。空港が大好きな私が、この空港だけには心がときめかない。理由は空港の設備が汚くて、空港が騒がしいから。どうしても、綺麗なバスターミナルを大きくした感じにしか見えないのである。特に第一ターミナルはあまりのボロさ、汚さにいつ行ってもビックリする。第二ターミナルは外観は綺麗だが中の設備はアナログで垢ぬけない。かろうじて、第三ターミナルに空港の雰囲気があるくらいだ。ANAは第三ターミナル。ぴったり二時間前にチェクインカウンターに行ってチェックインすると、さすがにGWだけあってエコノミー席のオーバーブッキングがあり、インボラのオファーをもらった。それは断るわけもなく、二つ返事でオファーを受けた。今年初めてのインボラだ。しかも、器材はB787-8。実は、今回の旅の一番の楽しみがこれだった。ただ、乗ってみてそれほどでもなかった。シートは短距離国際線タイプだったので、フルフラットではなくクレードルシートリクライニングだった。液晶は17インチではなく、12インチの小さいヤツ(ただ、解像度が高いのでフライトマップを見るには十分だった)。食事は和食を頼んだ。マニラ調整だからある程度覚悟はしていたが、カニ蒲が多様されていることと、鶏の空揚げ二個が串に刺さっていたのはやめていただきたかった。篠辺君、君は代表取締役社長だけではなく、CSR推進会議総括の肩書きを持っていたはずだ。何をしておるのだ。企画部・総務・CSR部担当である福田取締役執行役員と共に可及的速やかにお客様に提供するサービスクオリティを再検討することを命令する。そして、マーケティング室・CS&プロダクト・サービス室・営業センター担当の志岐君、今回の件について直接的な責任は君にある。進退については本人が決めることであり、私がとやかく言うことではない。しかし、執行役員である以上、ケジメはつけるべきだと私は考える。まー、無料でビジネスクラスに乗せてもらっておいて文句を言っちゃいけないんだろうけど、愛する全日本空輸株式会社のために、敢えて苦言を呈することにした。

[広さよりも脚の短さが際立つ]
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[エンジンはGEのではなくロールスロイス]
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[電子カーテンのスィッチ]
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[1時間も飛べばフライトマップに日本の島が出てくる]
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[機内食(和食)はこーんな感じ]
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J.CO Donuts [フィリピン]

タイのチェンマイから、再びフィリピンに戻ったが、これといってすることもなく暇だった。最近マニラで人気のドーナツ屋があると聞いていたので最終日に行ってみることにしだ。マニラのモール・オブ・エイジアにあるJ.CO Donutsというドーナツ屋でインドネシアのドーナツ屋なのだ。以前、食べはしなかったが、マレーシアのクアラルンプールで見かけたことがある。店に入ってみると、確かにひきっきりなしに客が来て、みんな当たり前のように1ダース、2ダースと注文している。私も一つ買って店内で食べた。味は悪くないけど激甘。1個日本円で90円くらい。飲み物と一緒に店内で食べると言ったら、もう一個別のドーナツを無料でくれた。こちらも激甘。店内には、注文をとる店員が5人いるが、待っている人の列がどんどん長くなっていく。注文のあったドーナツが箱に詰められ、注文が終わると客はキャッシャーの列に並び直す。暇だったので、どのくらいのスピードで売れてるのかを紙ナプキンに書いて記録していたのだが、午前10時から午前11時半までで126ダース!売れていた。しかし、午前11時半から午後12時半までは28ダースに落ち、そして、午後12時半から午後1時までは40ダースだった。さすがにここらで店を出たが、開店から3時間で194ダースのドーナツを売っていたことになる。1日10時間営業なので、1日で約647ダース。個数にすると7,764個のドーナツだ。ふと、真面目に経営分析してみようかと思ったが止めた。おいらは、ドーナツを喰いに来た訳でも、ドーナツの売り上げを計算しに来た訳でもなく、ただ旅行に来ていたのだった。
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北方の薔薇 [タイ]

タイまで来た理由の一つはラオスに2~3日滞在しようと思ったからだ。ラオスに行くつもりで一旦、バンコクから北のチェンマイまで移動していた。チェンマイは北方の薔薇と呼ばれるタイの古都である。以前、ラオスのビエンチャンとルアンパバーンに行ったのだが、何もない街だった。ラオスに行ったことのある友人にどんなところかと事前に聞いたら「何もないところだよ」と言っていた。「特にビエンチャンは何もない。あれほど何もない首都は他に知らないなー」と言っていた。行ってみてわかったことは、本当に何もない街だということだった。ただ、物価が極端に安く、静かでノンビリしている上に、他の東南アジアの人のようにガツガツしたところがない国民性がとても居心地が良かった。対日感情は私が知る限りアジアではカンボジアと並び最も良い。食事はタイ料理に似ているうえ、言葉もどことなくタイ語に似ている。別に私がタイ語を話せるということではないが。。。まだ、数は少ないが快適な宿もある。しかし、しかしである。結局、旅行初日にフィリピンで発熱して以来、熱がひかない。当初はバスで行くつもりだったが、高熱をおして丸半日バスに揺られるのはしんどいし、かといってチェンマイからの航空券はかなり高かった。しかも、チェンマイで宿泊したホテルがことの他快適だったので、あっさりラオス行きを断念した。旅は人生の縮図に例えられる。一概に当初の目的に邁進すればいいというものではない。ここは、ひとまずフレキシブルに考えるべきである。旅先では常に柔軟な対応が求められる。”急がば廻れ”昔の人は上手いことを言ったものである。結局、お気楽な発想でチェンマイに滞在することにした。いよいよもって、この旅は何をしにきたのかわからなくなってきた。
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