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東南アジア [東南アジア]

東南アジアが好きだ。東南アジアの国々を旅行するのが好きだ。日本や欧米よりも物価が安く、なんとなくノンビリして、ポワーンとしたゆるい雰囲気が好きな理由だと思う。”思う”というのは、なぜ気にいったかがよくわからなかった。若いころから東南アジアには行っていたが、アメリカ、それも東部を好んだ。しかし、ここ7~8年は東南アジアばかりだ。今の私のパスポートは2010年6月に発行されたが、あと4頁でいっぱいになる。でも、東アジア、東南アジア、南アジア以外の国のスタンプはミュンヘンだけだ。

30歳前後の友人や同僚に行きたい海外旅行先を聞くとグアム、サイパン、ハワイがいいと言う。なんとなくわかる。治安が良く、アメリカ、ないしアメリカ領で文明が行きわたっている。しかも、それほど遠くないのにステータスと満足度が高い。30代から40代にかけてはアメリカとヨーロッパが同率1位にランクされ、50代以降はヨーロッパが単独王座を防衛する。これも、理解できる。ちょっと遠いけど、見るべきもの触れるべきものが多い。食事も日本人に馴染みがあって安心感がある。しかも、清潔で治安が良い上、特にヨーロッパなどはお洒落な響きがある。20代前半の若い子は、そもそも海外旅行に興味がないようだ(独断と偏見調べ 東京都と神奈川県のごく一部)。東南アジアではタイが比較的人気だ。食べ物が美味しくて、治安がいいからというのが理由。ただ、東南アジアを敬遠する人が結構いることも事実。理由は、治安や衛生面がよろしくない上、東南アジアの人々はモタモタしてトロいからイライラするらしい。あと、東南アジア=後進国というイメージを持っている人がまだまだいるようだ。一昨年の夏にバンコクに行った時、私と同じ歳の友人にサイアムのあたりの写真を送ったら、「えーっ、タイってこんなに都会なんだ。バナナの木があって像が歩いてるのかと思ってた」と驚いていた。地方に行けばそうだけど。また、母にバンコクやクアラルンプールは大都会だよと言ってもなかなか信用しなかった。シンガポールには行ったことがあるのに。極端な例かもしれないが、こんな人はまだまだいるのだ。「トロくて後進国」というイメージはきっと東南アジアの国々の成り立ちに共通しているのだろう。もともとは、世界でも有数の稲作地帯であるメコンデルタやチャオプラヤーデルタの流域にある国々。私もずっと昔は東南アジアは貧しい国々の集まり、、、といったイメージしかなかったが、ベトナムでメコンデルタの田園風景を初めて見た時には驚いた。この豊かさといったら日本人の私の想像を絶するものだった。青々と茂る稲が無限に広がると錯覚した豊かさには圧倒された。タイのチャオプラヤー川の上流では船に乗って川を渡れば魚が勝手にピョンピョン飛び込んできたし、おじさんたちは川に竿を入れるだけで一家の晩御飯のおかずを手に入れていた。もともと、東南アジアの国々は農業に適した気候である上に、メコン、チャオプラヤー、そしてイラワジなどの豊かな河川の恵みを享受してきた。そして、季節になれば果物が勝手に木から落ちてくる。日本と東南アジアの国々では”豊かさ”とか”貧しさ”の考え方が根底から違っていたのだ。一生懸命働かなくて喰って行ける国。そんな途轍もない幸運のもとに生まれたら人はアクセクしなくなる。そんな、切迫感、緊張感のなさが、少し”トロい”人々を生みだしたのだろう。東南アジアでは、「まー、そこまで頑張って経済を発展させなくてもいいんじゃない」と考えていた国もあっただろうし、戦争や内紛で発展のチャンス自体が奪われていた国もあった。望むと、望まざるとにかかわらず、経済の発展が遅れてしまっていたが、今の東南アジア全域の発展の早さを考えると、もはや後進国という言葉は相応しくない。しかし、東南アジアの国々の発展がこのスピードを維持すると、あっと言う間に物価が上がって、街並みも渋谷や新宿、そして六本木や青山と同じになってしまうのだろう。それはそれでちょっと悲しい。複雑な気分だ。
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