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鉄道 [フィリピン]

マニラの南側、アラバンというところにフィリンベスト・シティという街がある。ビジネスセンターやショッピングモールが立ち並ぶフィリピンらしくない良く整備された街である。新しくて綺麗なホテルが多くあり、しかも比較的安く泊まれる。しかし、マニラのダウンタウンからは少し離れていてタクシーで30分くらいかかる。ホテルでパブリックタクシーを頼んでもなかなか来てもらえず白タクしか捕まらない。白タクだとパブリックタクシーの二倍くらいかかるので急いでいる時しか使いたくない。一度、ジープニーを使ったが、ぎゅうぎゅう詰めで約1時間はちょっとキツイ。私の席の両側と向かい側が若くて綺麗な女性だったら話は別だが。。。なんかいい方法はないものか、ホテルの若くて綺麗な受付の女性に聞いてみた。すると、「私が車で送ってあげてもいいわよ」、なんてことは言わず、本数は少ないけどパサイやエドサなら鉄道で行く方法もあると教えてくれた。おおっ、フィリピンではLRTとかMRTしか乗ったことがないので、良いではないか。と、教えてもらった駅に向かった。若くて綺麗な受付の女性は「すぐ近く」と言っていたが、全然近くないじゃないか。少し迷ったこともあって1時間くらい歩いて到着した。しかし駅舎はボロボロで電車が走っているか怪しい。駅員らしき者はいない上、切符売り場らしき窓口もない。しかし、人はいる。ホームを覗いてみると子供たちがトロッコで遊んでいるではないか。もう少しズンズン進んでみると、黒板に手書きで時刻表が書いてある。1~2時間に1本くらい電車があるではないか。若くて綺麗な女性を探してパサイ方面に行く方法を聞いてみようと思ったが、そんなのいないので近くにいたおばさんに聞いてみた。おばさんは、「パサイに行くのはあっちの駅だ、この駅からは”あれ”に乗って”なんとか”方面へ行く」と、子供が遊んでいるトロッコを指さしながら教えてくれた。ちょっと待て。もしや”あれ”は公共ないしは営利目的の鉄道なのか?もう一度、おばさんに”あれ”について聞いてみると、「”あれ”に乗って”なんとか”方面に行く」と教えてくれた。運賃は7ペソだそうである。良く見ると、”あれ”には、パイプを並べた椅子のようなものがあり、確かに”乗客”が座っている。しかも、子供だと思っていた人々はれっきとした大人だった。てんでばらばらなTシャツ姿だが、彼らは”ぽっぽや”なのかもしれない。しばらくすると”ぽっぽや”達が大騒ぎしだし、後ろから”あれ”を押して”なんとか”方面に走っていくではないか。私は茫然と彼らの出発を見送った。噂には聞いていたが人力の鉄道トロッコを初めて見た、、、などと感慨に耽っている場合ではなく、私は鉄道でパサイに行きたいんだ。再度、おばさんに聞くと、「駅が違う、こっちじゃなくて、あっち」だそう。どうやら駅が二つあって、パサイに行くのは別の駅らしかった。ただ、”あれ”でパサイまで行くのはどうだろう。またまた、おばさんに「パサイ方面に行くのも、”あれ”と同じもので行くのか」と聞くと、ちゃんとした鉄道である旨の回答があった。ちょっと、安心したが、ここフィリピンでは実際に自分の目で確認しないことにはわからない。なんだか、もっと”あれ”の運用方法などを詳細に研究したかったが、よんどころ無い所要でパサイに向かうため、おばさんが指さしてくれた方向に向かうことにした。たしかに駅らしいものが見える。駅に行くと、それは間違いなく駅であった。切符売り場もある。ただ、時刻表が黒板に手書きなのが気になったが、少ししたらディーゼル車がやって来た。おおっ、ちゃんとした列車ではないか。しかし、待てよ。実はちゃんとした列車と”ぽっぽや”人力鉄道トロッコをミックスした運用をしていて、たまたま今回はちゃんとした列車に乗れただけなのではないか、、、という疑問を残しつつ列車は発車したのだった。
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