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トラブル [アメリカ]

2003年の夏、二週間近いの夏休みを取ってアメリカの東海岸に行った。夏休みが終わって会社に出社したら席が無いんじゃないかと心配しながら。。。行先はニューヨークとボストン。前半の一週間はニューヨーク、後半の一週間はボストンといった配分だった。ニューヨークでの一週間が過ぎてボストンに移動する日、朝早く起きてミッドタウンの東側の3rdアベニューにあるベーグルショップまで歩いて行って朝飯を喰い、腹ごなしにセントラルパークまで散歩してホテルに戻った。なんだか、ニューヨークのおいらは格好いい。ホテルをチェックアウトして、ペンステーションに向かい、ボストン行きの電車のチケットを買った。電車が到着するまで少し時間があったのでドーナツを6個買って地べたに座って2個食べた。そうこうしている間に私が乗る電車が来たのでホームに降りて電車に乗った。私のチケットはCoach Class(自由席)だったが座席はガラガラ。走り出してからドーナツをさらに2個食べた。電車は4時間ほどでボストンに到着。地下鉄に乗り換えてホテルの最寄駅から歩いてホテルに向かった。ホテルに入ってチェックインしようとしたのだが、なんだか異様な雰囲気。10人ぐらいの客と20人ぐらいのホテルの従業員が一か所に集まって口論している。嫌だなーと思いながら、チェックインしたいと言ったが、誰も私のことをかまってくれない。ホテルを予約した時の書類をバタバタさせながら、「チェックイーン」と大声で叫んだ。ホテルの従業員が一人来て。「お客さん、どこから来たのですか」と聞くので、パスポートを出して「ニッポン」と答えると、「どうもニューヨークでテロがあったらしい」と教えてくれた。「えっ、おいら今、ニューヨークから来たばっかり」と言うと、口論していた客と従業員がみんな私のところに集まって来て、てんでバラバラに私に話しかけてくる。英語が堪能な訳ではないのに、30人のアメリカ人に取り囲まれ、吊るし上げを喰らったかのように、まくしたてられると、何を言っているのか全然わからない。どうやら、私がニューヨークを出た時の状況を聞きたいようだったので、私がニューヨークを出たのは午前11時過ぎで、電車でこっちに来たが特に変わったことは無かったと話してあげた。彼らのうちの何人かがニューヨークに住んでいる家族と連絡が取れなくなったらしい。その他の人々もニューヨークの知り合いに電話をしてみたが繋がらならいと言う。みんなとても不安そうだったが、私は「しめた!テロという大義名分があれば、あと一週間会社休めるぞ」ということだった。あわよくば、こっちに永住しちゃえ、とかお気楽なことを考えていた。しかし、しばらくすると、テレビでニューヨークを含む北米大陸の北東部と中西部で大停電があったことがわかった。しかも、えらく大きな停電だったのだ。結局翌日まで停電が続いていたようだった。ボストンは奇跡的に難を逃れていて、特に電力供給が止まったり、交通網に影響が出たり、デマで混乱したりと言うことはなかった。私はホテルにチェックインした後、ドーナツを買いに出かけ、ホテルの部屋に籠ったまま、ずっとテレビで停電のニュースを見ていた。真夏の停電ということもあり、マンハッタンはとんでもないことになっていた。地下鉄、鉄道、バス、飛行機などの公共交通機関がすべてストップ。テレビでは、家に帰れない人や観光客がタイムズスクエアや路上で一夜を明かす映像を映していた。しかし、停電発生から2日もすると、いつものニューヨークに戻っているようだった。ボストンに5日ほど滞在したが、ボストンで何をしていたかあまり記憶がない代わりに、ニューヨークの状況は良く知っていた。日本に帰る日は、ニューヨークに戻ったが何事もなかったかのようであった。私は、無事に、そして不本意ながら予定通り日本に帰ることができた。休み明け、恐る恐る出社すると自分の席はあった。
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