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バブルアゲイン [シンガポール]

”シンガポール”という国名を初めて意識したのは、かれこれ30年ほど前。社会人になりたての頃。世の中バブル真っ盛り。その頃の同僚の一人は、やれ先週はグアム、やれ今週はサイパンだと毎週のように海外旅行に行っていた。なんとも恐ろしい時代だった。そいつが「来週、シンガポールに行くんだ」と私に教えてくれた。私はそのころ海外旅行には、さほど興味がなかったこともあり、シンガポールがどこにあるかさえ知らなかった。シンガポールはどこにあるんじゃやいと聞くと「東南アジア」だと言う。”とーなんあじあ”、それは当時の私にとって一つの事のみを意味していた。「東南アジア=エッチ」。東南アジアと言えば、ベトナム戦争くらいしか知らない。それも、ずいぶん前のこと。はっきり言って東南アジアのことは良く知らないのである。ただ、インターネットのない当時、私には東南アジアはエッチな場所というイメージしかなかった。それ以上でもなく、それ以下でもないエッチなところ。何がエッチなのかと聞かれてもよくわからなかった。そいつに「おまえ、イヤらしいなー」というと、そんなことは無いと真顔で否定していたが、うんうん、わかったわかった、皆まで言うな、大丈夫だ、おいらは口が堅いぞと相手の反論を一方的に遮って、女性社員にあいつはエッチな海外旅行に行くらしいですよ、と言いふらしていたのだった。あれから15年、私は初めてシンガポールの地に降り立った。別にシンガポールにエッチな事をしに来たわけではない。その年、私は全日空の上級会員になるために修行僧の真似ごとをしていて、1年間で5万マイルのフライトマイル取得を自らに課していた。1年間で5万マイルのフライトマイルというのは意外と大変なのだ。ブッキングクラスにもよるがエコノミークラスの航空会社正規割引チケットで1年間に東京⇔ニューヨークを8往復しても足りない。そこで、その間隙を埋めるために週末になると日本国内はもとより、身近な海外に飛んでフライトマイルを稼いでいた。その時、身近な海外としてユナイテッド航空で行く二泊三日シンガポールの旅に白羽の矢が立った。成田を夜に出発し、深夜のシンガポールに到着した。空港ターミナルは静かで綺麗だった。しかし、一歩空港の外に出ると非常に暑い上に雨が降っているので湿度が異常に高い。もはや息が苦しいほど。タクシーでホテルにたどり着くとホテルのロビーに天気や温度を示すデジタルのサインボードがあった。天気は雨、ふむふむ。温度は摂氏35°C、華氏95°F、それは暑い訳だ。そして、温度の下に100という数字がある。しかも数字の右側に%があるではないか。ホテルのスタッフに念のため聞いてみると、やはり100は湿度の事だった。壊れているのかと聞いてみたが今日の湿度は100%だと得意げ。室内は空調が効いているから100%というのは大袈裟だろうと言うと外の湿度だと言う。100%の湿度って水の中を歩いているのと同じじゃん。そりゃー、息苦しい訳だ。なんでも、シンガポールでは雨季には湿度が100%になるのは珍しくはないのだとか。。。それ以来、シンガポールのエッチなイメージは完全に払拭された。シンガポールさんゴメンなさい。
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