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香港・マカオ3泊4日 (2) [香港]

(続き)
1000円のコーラを飲み干した私は、一路香港に向かった。同行の友人が、香港に着くのは夜だから飛行機から夜景が見れると言う。香港の夜景が100万ドルの夜景と呼ばれていることは、さすがの私も知っていた。「おまえはいいよな、窓側の席で」と羨ましそうに言って来る。そう、私の席は窓側だった。さらに友人が言うところによると、香港の空港に着陸する時、飛行機が”香港カーブ”という軌道を描いて着陸するらしかった。何だかわからないが、とにかく凄いらしい。何だ何だ、その”香港カーブ”というのは、と聞いても友人も良く分からない。おい、コラっ。自分がわかりもしないことを人に教えるんじゃない、と飛行機の中で喧嘩になった。結局、私と友人達4人とも”香港カーブ”というものがわからなかった。とにかく理由はわからないが、飛行機が壊れるくらいの物凄い急カーブを描いて着陸するのだという結論に達した。そして、それが有名だとい言うことは、きっと50%くらいの確率で飛行機がバラバラになったり、着陸に失敗しているに違いない。大惨事の様相を呈している香港啓徳空港からテレビ中継が入り、「乗客、乗員合わせて198名全員の死亡が確認されました」とか放送され、それを見たおふくろは泣き崩れるに違いない。先立つ親不孝をお許しください。マズい、それはマズい。何でそんな危険な海外旅行に連れて来たんだ、と同行の友人とまた喧嘩になった。私は窓側席の特権を生かして着陸する前から窓ガラスに貼りついていた。100万ドルの夜景と香港カーブの両方を堪能し、もしも飛行機に危険な兆候を見つけたら素早くイチかバチかで飛行機から飛び降りて助かろうと、一石三鳥を目論んだ。しばらくして機内アナウンスがあり、着陸態勢に入ることがわかった。ベルト着用サインが点灯し、シートベルトを着用し、目を皿のようにして外を見た。しかし、外は真っ暗で何も見えない上、飛行場がどこにあるか識別できない。ましてや、機体がカーブしているかどうかなどまったくわからない。明かりが見えた時には、すでに滑走路に接地する直前だった。そして、機体が壊れることも、着陸に失敗することもなく、無事、香港啓徳空港に着陸した。結局、香港カーブというのはまったくわからなかったが、わずかに山肌のようなところと着陸直前に明かりが見えたような気がした。あれが100万ドルの夜景だったのだろうか。私には10ドルくらいにしか見えなかったが。。。一応、100万ドルの夜景は見たことにしておこう。空港のロビーにはガイドが迎えに来ていた。我々と同じ歳のホーさん(漢字は忘れた)という女性のガイドだった。ホーさんは迎えのバスに我々を乗せてホテルに向かった。ホーさんは日本語の他に英語、北京語、広東語、上海語、そしてポルトガル語、スペイン語、イタリア語の8つの言語が話せた。北京語、広東語、上海語は”中国語”で括っていいと思うけど。。。いずれにしても凄いマルチリンガル。ホーさんが「夜景見ましたか?」と聞くので、「山肌と着陸前に少し見えた」と言うと、「あー、山肌は貧民窟の焚き火、着陸前は看板です。それは100万ドルの夜景じゃないです」と言って笑っている。看板はいいとしても、貧民窟の焚き火かよ。やっぱり10ドルの夜景だったのか。ホテルに向かう途中、ホーさんはずっと、ここには何がある、あそこには何があると説明してくれる。ホーさんの日本語は上手で問題なく理解できるのだが、なんだかおかしい。最初は何が変なのかはっきりしなかったのだが、すぐにわかった。ホーさんの説明は、例えば「あそこは、とても危ない場所です。それは、何故ですか?あそこは九龍城だからです」というように、自分で質問して、自分で勝手に答えるスタイルだった。世界・ふしぎ発見!のミステリーハンター竹内海南江だったら「あのあたりはー、とーっても危ない場所なんです。あのあたりはー、何故危ないのでしょうか?それではここでクエスチョンです」・・・「それはー、九龍城だからなんです」となるはずだった。きっと、ホーさんが日本語を覚えた時、そういう基本形で覚えてしまい、ずっとそのまま使っているのだろう。それはわかる。例えば私も機内食がどんな食べ物か聞く時、「What food is it?」と聞けばいいのに「What kind of food is it?」と余計な「kind of」を入れてしまう。中学性の時の英語のテキストに「What kind of food is it?」と書いてあったのをそのまま覚えてしまったので、「kind of」を抜かすととっさに文が出てこないのだ。しかし、とは言っても箸が転んでも可笑しい年頃の私は、ホーさんの日本語が気になって仕方が無い。「私は日本語が話せます。それは何故ですか。日本語を勉強したからです」、「香港にはフィリピンの人がたくさんいます。それは何故ですか?香港でメイドとして働いているからです」、「この店はお客さんがいっぱいいます。それな何故ですか?安くて美味しいからです」、、、すべてこの調子。友人たちも、同じことに気が付いていてバスの中は爆笑だった。みんな、ホーさんの言い回しが気にいって香港にいる間ずっと使っていた。日本に帰ってからも使っていた。そして、みんないまだに使っている。(続く)
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