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バロット [フィリピン]

フィリピンに”バロット”という、ある意味で有名な食べ物がある。孵化前のアヒルの卵を茹でた”ゆで卵”。ベトナムではビットロンと言って普通に売っている。カンボジアでもポピュラーな食べ物だし、タイ、そして横浜の中華街でも食べたことがある。初めて見た時は殻の中にヒナが出来上がっちゃっていてビビった。なんてったって、うっすら鳥の形状がわかる”ゆで卵”は恐ろしかった。だいたい、日本でバロットを食べるよと言うと不潔なものを見るような眼で見られる。フィリピンのバロットは道端の露天で売られている。お金を払うと粗塩と一緒に新聞紙に包んでくれる。値段は日本円で1個20円くらい。喰い物ごときにギャーギャー言うのもみっともないので、エイッと喰ってみたら美味しかった。食べ方は、まず殻の先っちょに穴を明けて中のスープをすする。このスープは美味しいチキンスープ。そして、普通に殻をむいて”アヒル本体”に粗塩を振りかけて食べるのだ。アヒル本体は普通の”ゆで卵”の黄身の味。考えてみれば当たり前の味だった。ただ、白身の部分はとても硬いので私は食べない。美味しいか不味いか二者択一で問われれば「美味い」と答える。ただ、以前、このバロットを買った時に友人に騙された。フィリピン人の友人に「バロット喰えるよ」と言うと、ちょっとビックリした顔をしていた。私は内心「どーだ。まいったかー」と得意げだった。すると、友人が「それじゃー、僕が1個おごってあげるよ」と道端でバロット売りのおばちゃんからバロットを2個買った。買う時にほんの少しだけ時間をかけて選び、おばちゃんに何かを聞いてから買っていた。友人は「美味しいのを選んだよ」と言って1個を私にくれた。友人はその場で食べ始めたので、私もいつものように殻に穴を開けてスープをすすった。スープを飲みほした後、殻を割ってビックリ。。。黒い羽の生えたアヒル本体が出てきた。ほぼ、孵化寸前の状態。しっかりしたアヒル本体のバロットは初めて見た。困っている私を見て、友人とバロット売りのおばちゃんは大笑いしていた。途方に暮れて友人に助けを求めると、「ごめん」と言って笑いながら、私が持っていたバロットを引き取って説明してくれた。どうやら、バロットは好みによって孵化の度合いを選べるらしかった。卵を外側から見て青っぽいのは孵化が進んだもの、黄色っぽいのは孵化が進んでいない状態のバロットだと説明してくれた。そして、私の友人は青っぽい孵化が進んだバロットを選んで私にくれたのだと言う。確かに私もよく外国人に寿司のワサビや、おでんの和がらしを大量に食べさせて、日本の文化、和食の真髄を最初にガツンと思い知らせてやるが、反対にやられてしまった。後で聞いたのだが、フィリピン人の友人も孵化の進んだバロットはあまり好きじゃないんだと言っていた。今更そんなことカミングアウトされてもなー。あと、彼は、日本人が食べる卵かけご飯は信じられない、生卵を食べるのは危険だし、そもそもあんなものは食べ物ではないとも言っていた。今度、絶対に卵かけご飯を喰わせてやる。
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