つばさよつばさ [旅]
葉加瀬太郎のAnother Skyを聞くと旅に出たくなるのと同じように、浅田次郎の本を読むと旅に出たくなる。浅田次郎の本であれば旅に関するものでなくてもいい。理由は葉加瀬太郎のAnother Skyと同じようなもので、JAL機内誌「SKYWARD」にずっと連載されている「つばさよつばさ」を思い出すから。浅田次郎の軽妙な語り口で書かれた旅行エッセイは秀逸だ。軽いタッチで始まり、ちょっと感動的に締める作風が寅さん的志向の私の心を掴んで離さない。「つばさよつばさ」で一番好きだったのが、”個人的な「世界の三大夜景」”の話。浅田次郎は夜景マニアだそうで、彼の個人的な「世界の三大夜景」を紹介している。別格例外は函館の夜景。世界の三大夜景の最初はクリスマスシーズンのパリのイルミネーション。次が真夜中のストラトスフィア・タワーから見おろすラスベガスの夜景。そして、最後にブルックリンから眺めるロアー・マンハッタンは夜景の傑作だと言っている。短い文章に込められた、きらめくような夜景の情景描写がとても好きだ。私はパリには行ったことがないのでクリスマスシーズンのイルミネーションのことは知らないけれど全部激しく同意。
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