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マンハッタンデビュー (9日目) [アメリカ]

(続き)
9日目。この日は自然史博物館には行かず、散歩がてらお土産を買いに行くつもりだった。遅く起きて、朝飯を喰い、そして二度寝。起きてから5ブロックほど歩いて、いつものカフェに行った。ホットチョコレートを頼んだら、「いつも、それだね」と言われた。ビックリして顔を上げると、店のおじさんが笑っていた。どうやら顔を覚えてくれたようだ。なんだか、この街に馴染むことを許されたような気がした。良い街だなー。特別に何があった訳ではないが、毎日、地下鉄に乗り、恐竜の親子を見て、ボーっとお茶を飲んだりご飯を食べたりしながら、一見無駄な時間を過ごすのがとても大切に思えた。ちょっと神経質でクールなニューヨーカーも素顔は意外と優しくて親切だ。できることなら、いつか暮らしてみたい。初めてそんなことを思った街だ。カフェを出て、ここに来た初日に目を付けておいたウエストサイドのチョコレート屋に行ってみた。甘いモノ好きの両親には、是非、激甘のチョコレートで死んでもらおうと思った。その、レンガ作りの古めかしいチョコレート屋はなんだか可愛らしい。LI-LAC CHOCOLATESという名前のチョコレート屋だった。イートインなどはなく、ドーンとチョコレートだけを売っている。しかも、チョコレートは巨大なバーやポンド単位の量り売りだ。なんと潔いチョコレート屋だ。ショーケースの中を覗いていると、「試してごらん」と大きなチョコレートの一かけらをくれた。ヨーロッパのチョコレートや日本のチョコレートの方が美味しいのはわかっているが、アメリカで喰うんだからアメリカのチョコレートがいいに決まってる。Pecan Nutsのミルクチョコレートが美味しそうだったので、味見できるか聞いてみたら、またまた、大きめのかけらをくれた。おっ、これは美味い。これにしよう。しかし、いくら甘いものが好きな両親でも、1ポンドは多すぎるだろうと思い、1ポンドを半分づつに分けてくれないかと頼んでみたら、あっさりOKだった。値段は$18.00.もはや、この値段が高いのか安いのかわからなくなったので思考を止めた。一旦、ホテルに戻って荷物を置いて、またホテルを出た。そして、目的もなくアップタウンに向かって歩いた。この街は1ブロック歩くと丁目が1つづつ増減するのがいい。調子に乗って20ブロック歩いてしまった。もう、マジソン・スクエア・ガーデンのすぐ近くだ。大きな地下鉄の入口には”PENN STATION AMTRAK”と書いてあった。「地下鉄だけじゃなく、AMTRAKの駅もあるのか」と思い、降りてみることにした。地下に降りてびっくり。大きな駅で、物凄く人が多い。そして、駅の中には、アイスクリームやピザ、ミスタードーナツ、ダンキンドーナツ、そしてサンドイッチや飲み物、さらには本やお土産を売る店がたくさんあった。大きな商店街だ。アイスクリームを買って、食べながらグルグル歩き廻った。Amtrakのコンコースは地下1階にあった。大きな電光掲示板で行き先を見ていると、Boston、Washington、Torontoと表示されていた。えっ、トロントってカナダの?カナダまで行ってるんだ。ふーん、とさらに歩き回った。そして、それは運命的な出会いだった。初めて見るドーナツ屋を発見した。みんな、1個、2個などという”みみっちい”買い方ではなく1ダーズ、2ダースとダース単位で買っている。美味しそうなので買ってみることにした。「ドーナツを1つください」、というと、「1個?」と嫌な顔をされた。驚いて、「いや、2個」というと、今度は「そんだけ」と言われた。仕方がないので「6個」と答えると、「フン」と鼻でせせら笑われた。そして、今度は「どのドーナツ?」と言われた。どれが美味しいのか聞いてみると、”Original Glazed”という溶かした砂糖がコーティングされたドーナツだった。そう、それはKrispy Kremeのオリジナル・グレイズドを初めて見た瞬間だった。一目惚れだった。店員がその場で1個サービスしてくれたので、喰ってみたが、ふんわりとした柔らかさが口の中で溶けるような食感だった。これは美味い。完全に恋に落ちた。それから、急いでタクシーを捕まえてホテルに戻って、6個あっと言う間に完食。食べると言うより、飲むと言った方が正しいだろう。まだまだ食べられそうだったがこのへんでやめておくことにした。絶対に、このドーナツは私に発見されることを待っていたに違いない。メデタシメデタシ。美味しいものがいっぱいあるじゃないか、ニューヨーク。(続く)
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