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世界の車窓から [ベトナム]

海外の超長距離鉄道の旅に憧れていたことがあった。「オリエント急行殺人事件」と大瀧詠一の「さらばシベリア鉄道」の影響に違いない(w。オリエント急行は比較的最近まで走っていたが、パリからイスタンブールまでの列車だけで100万円近い費用と1週間の日数がかかるのでサラリーマンの身では難しい、というより限りなく不可能に近い。イースタン&オリエンタル・エクスプレスというシンガポールからバンコクまでの列車があることを聞きつけ、調べたことがあったが、シンガポールからバンコクまで4日間で25万円くらい。飛行機代やその他諸経費を入れると、40万円。ちょっと高いなーと思い、海外の長距離鉄道の旅はお金がかかるということで諦めた。しかし、探してみるとホテルとセットになったそれほど高価ではない列車の旅があることもわかった。ベトナムのハノイから400kmくらい北にある、ヴィクトリア・サパ・ホテルというリゾートホテルが列車の乗車券とホテルの宿泊をセットにして販売していた。もともとはフランス人が避暑のために開発した別荘地帯で、2,000m近い高地にあった。ハノイから専用の列車に乗って約10時間、翌朝に現地に到着すると言うお手軽さに惹かれて行ってみることにした。ハノイの駅を夜出発するので、指定された時間にハノイ駅に行った。駅の中でキョロキョロているとヴィクトリア・サパ・ホテルの専用列車の看板を見つけた。看板のあるところに行って、係員に自分の名前を告げるとチケットを渡された。チケットは意外とあっさり入手できた。そして、乗り込む列車を教えてもらい、列車のところに行くと、赤い絨毯がひかれていたので、ちょっとビックリした。うーん、なんとも優雅な感じがする。これが期待していた列車の旅だ。案内されたコンパートメントには、すでに2つの2段ベッドがセットされていて先客がいた。先客はオランダからやってきたというご夫婦で、これから10時間同室だ。ヴィクトリア・サパ・ホテルには毎年行っているというこのご夫婦からいろいろな情報を聞くことができた。そして、出発。なんともあっさり出発した。オランダ人のご夫婦から、この列車には食堂車が付いていることを聞いたので行ってみることにした。最後尾の食堂車に入ると遅い時間だったこともあってか、みんな優雅にワインを飲んでいた。やはり、思った通りだ。列車の旅は優雅だ。食堂車に足を踏み入れてしまった以上、そのまま戻る訳にもいかず、飲めない私もワインを1杯だけ飲んで自分のコンパートメントに戻った。同室のご夫婦と少しお喋りをしたあと、寝ることにした。なんだか、優雅だなー。”みんなお休みなさい”と言ってベッドに入った。明日の朝目覚めれば優雅なリゾートライフが待っていると思うと自然と笑みがこぼれた。しかし、、、優雅な列車の旅というものは、まったく振動もせず、まったく音などしないものだと勝手に想像していたが、列車はもの凄く揺れるのだ。その上、列車の音がガタンガタンうるさい。しかも、最悪だったのは、同室のご夫婦の旦那さんのイビキが凄まじい音だった。イビキなどという生易しいものではなく、怪獣が泣いているような音だった。一瞬、怪獣の鳴き声が止むのだが、しばらくすると、怪獣が泣きだす。奥さんよく平気で寝てるなー。結局、振動と列車の轟音、そして怪獣の鳴き声で一睡もできなかった。終点のラオカイの駅に着いた時はもうフラフラ。全然、優雅じゃないぞ。ホテルはとても良かったし、サパのリゾートも良かった。しかし、海外の長距離列車の旅は、もういいや。。。
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aloha

優雅な旅だな~と思っていたら、
すごいオチがあったんですね(笑)
大瀧詠一の「さらばシベリア鉄道」、懐かしいです。
ちょっと暗い感じがして、あまり好きではなかったけど(^^;)
by aloha (2014-07-01 12:30) 

tamannugara

こんにちは。いつもコメありがとうございます。
優雅な旅はalohaさんにおまかせします(w
かなり暗い歌ですね(w去年、大瀧詠一が亡くなったと聞いて驚きました。。。
by tamannugara (2014-07-01 22:17) 

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